『ワイルドアームズ』『シャドウハーツ』クリエイター新作ゲーム開発資金募集開始。パブリッシャーの支援を得られず唯一残された道

Wild Bunch プロダクションとYukikazeは8月30日、クラウドファンディングキャンペーンをKickstarterにて開始した。『ワイルドアームズ』の生みの親が手がける新作『アームドファンタジア』、そして『シャドウハーツ』ディレクター手がける新作『ペニーブラッド』の開発資金を募る取り組みである。

Wild Bunch プロダクションとYukikazeは8月30日、クラウドファンディングキャンペーンをKickstarterにて開始した。『ワイルドアームズ』の生みの親が手がける新作『アームドファンタジア』、そして『シャドウハーツ』ディレクター手がける新作『ペニーブラッド』の開発資金を募る取り組みである。開始されて間もないが、さっそく支援が集まりつつあるようだ。

『アームドファンタジア』は、ウェスタンパンクRPGだ。Wild Bunch プロダクションが手がけている。この世界では、 使用者の魔力を大きな力へと変える機械兵器ARMが武器として扱われている。ARMを携えた流浪の冒険者「渡り鳥」となった少年・イングラムが、死にゆく大地・ロンデニアムに隠された大いなる謎へと近づいていく。『ワイルドアームズ』シリーズでトータルデザイナーやシナリオなどを務めた金子彰史氏が手がけており、佐々木知美氏がキャラクターデザインを担当。そして、なるけみちこ氏と上松範康氏、上松氏が率いるElements Gardenが音楽を担当する。


『ペニーブラッド』は、ゴシックホラーRPGだ。Yukikazeが手がけている。舞台となるのは、1920年代の“悪意に満ち混乱に歪んだ世界”。主人公となるのは、捜査局に雇われた私立探偵マシュー・ファレルだ。マシューがある晩ニューヨークの精神病院で発生した怪事件の捜査を任されたところから、物語は始まる。ゲームデザイン・総監督・脚本を務める町田松三氏は、『シャドウハーツ』第一作目と第二作目のディレクションとシナリオを担当した人物。楽曲とサウンドについては、弘田佳孝氏と海田明里氏が担当している。


『アームドファンタジア』と『ペニーブラッド』は、かつてPS2などで発売された『ワイルドアームズ』と『シャドウハーツ』シリーズ初期の主要スタッフが制作する完全新作なわけだ。歴戦のクリエイターが手がけるわけだが、Kickstarterという場所を選んだ理由などもキャンペーン開始に際して明かされている。Wild Bunch プロダクションとYukikazeは過去に、複数のパブリッシャーに両プロジェクトについて売り込んだそうだ。しかしながら、本当に利益になるかどうかわからない状態では誰も支援してくれなかったという。しかしファンに新作を届けたいという気持ちで、残された唯一の道としてKickstarterを選択したそうだ。


パブリッシャーや出資会社とは現在も話し合いを続けているそうだが、両チームの自分の夢の実現を果たすためにリスクを負うというところで、Kickstarter初期ゴールは両プロジェクト合計で75万ドル(約1億円)設定。かなり高めの目標を掲げているようだ。支援枠についても5800円からのスタート。5800円以上払うことで、『アームドファンタジア』もしくは『ペニーブラッド』のゲームコードが入手できる。Kickstarterの最低支援額としてもかなり高めの設定。プロジェクトや覚悟の大きさを感じさせるだろう。

なお本キャンペーンではストレッチゴールも用意されているといい、支援達成額にあわせて対応ハードも増えていくという。その中では任天堂プラットフォームの対応も含まれているようだが、Nintendo Switch対応については明言されておらず「任天堂の次世代ハード」に対応したいとしている。PS5/Xbox Series X|S/PC向けの制作を念頭としている関係で、スペック上の制約があるのだろう。またハードウェアの独占なども考えていないとしている。

人気作のクリエイターが手がけるということで期待も高く、Kickstarterキャンペーンも好調な出だしを切っている。8月30日8時40分時点で、すでに6500万円以上集まっている状態だ。支援者の数は3700人以上。すでに初期ゴール達成も視野に入れているが、額も大きくストレッチゴールの存在も含めて、今後動向が注目されそうである。


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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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