ゴシックホラーRPG『ペニーブラッド』発表。『シャドウハーツ』ディレクターが描く、正気を保ちながら冒険する闇の1920年代世界


ゲームスタジオYukikazeは8月27日、『PENNY BLOOD(ペニーブラッド)』を発表した。対応プラットフォームは不明。Kickstarterにて開発資金を募ることが予定されており、その結果によって対応プラットフォームは変わるとのこと。ただし開発元としては、メジャーなプラットフォームはすべて狙っていきたいそうだ。


『ペニーブラッド』は、ゴシックホラーRPGだ。舞台となるのは、1920年代の“悪意に満ち混乱に歪んだ世界”。主人公となるのは、捜査局に雇われた私立探偵マシュー・ファレルだ。マシューがある晩ニューヨークの精神病院で発生した怪事件の捜査を任されたところから、物語は始まる。マシューが病院に到着し目にしたのは、暴れまわる異形の集団だった。怪事件の裏に隠された真実を解明するため、捜査を続けるマシュー。その冒険は、アメリカに留まらず、遠く離れた日本や中国といったアジアから、はるかヨーロッパの国々へと広がっていく。

本作のフィールドマップは3Dで表現され、人々で賑わう通りや呪われた墓場などを3Dで表現し、1920年代の世界をリアルに描き出すという。プレイヤーはそうした世界で、超自然的な事件の調査。時に異界の怪物との戦闘、証拠探しのために探索も進めていく。


戦闘においては、従来のターン制JRPGの戦略性と、素早い反応が求められるアクション性が組み合わさっているという。ルールはシンプルながら、敵に効率的に攻撃を与えるためには、鍛錬が必要とのこと。システムとしては「サイコシギル」なる要素が導入されているようだ。

また怪物との体験によって、マシューたちの正気度(サニティポイント)が変化。サニティポイントが減少すれば狂気に呑み込まれて理性を失っていくが、その反面、戦闘力は増大。戦いの流れを変えるためには、あえて狂気に身を任せる戦術を取り、生き残る可能性を高める必要もあるとのこと。


本作の開発には、『シャドウハーツ』を手がけたスタッフが携わっている。ゲームデザイン・総監督・脚本を務める町田松三氏は、『シャドウハーツ』第一作目と第二作目のディレクションとシナリオを担当した人物。近年では小説などを手がけ作家としても活動していた。キャラクターとアートディクションは、同じく『シャドウハーツ』のアートに携わっていた加藤美也子氏。楽曲とサウンドについては、弘田佳孝氏と海田明里氏が担当。とくに弘田佳孝氏については、『シャドウハーツ』シリーズの音楽に深く携わっていた人物である。

テーマや戦闘システム、正気度など『シャドウハーツ』シリーズのにおいが色濃く感じられる。新作『ペニーブラッド』としては、どのような魅力が足されているのか、そして令和のゲームとしてどのような表現で仕上げられるのか楽しみだ。


『ペニーブラッド』の開発に際しては、Kickstarterにて資金を募るという。開始日は8月30日で、最低ゴールは75万ドル(約1億円)とクラウドファンディングキャンペーンとしては規模としては大きめ。75万ドルのゴール達成がプロジェクト確定ラインとなるので、こうした資金集めがゲームと開発の今後の命運を握りそうだ。なお同Kickstarterと連携するかたちで『ワイルドアームス』生みの親である金子彰史氏が手がける『アームドファンタジア』についても、開発資金が募られる。

『ペニーブラッド』は、現在開発中だ。


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