国内のインディーゲームサークルSummertimeは8月26日、『サイレンス・オブ・スイッチブレード(Silence of Switchblade)』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2022年末にリリース予定。発表にあわせて、Steamのストアページが公開されている。
『サイレンス・オブ・スイッチブレード』は、真夏の郊外で発生した殺人事件と奇妙な三角関係を描く、ビジュアルノベル作品である。本作の舞台は東京都郊外にある架空の街、埼玉県浮潮市だ。3年前、浮潮市では4人の中学生が相次いで殺傷される通り魔事件が発生。犯人として14歳の女子中学生が逮捕されたが、裁判を経て心身衰弱が認められ、減刑となっていた。
本作の主人公・手越一誠は、埼玉県警浮潮署に勤める巡査である。手越一誠は、高専卒業後に東京へ出てエンジニアとして働いていた。しかし、3年前の浮潮市の連続殺傷事件で警官の父が被害を受けたことをきっかけに、埼玉県警のサイバー捜査課へ転職。その後、故郷である埼玉県警浮潮署へ異動となり、新設の「生活安全課少年事件捜査係」へ配属される。手越一誠が、上司の東大卒ノンキャリア警察官・伊能紗莉奈の変わりもの具合にやりにくさを感じはじめたころ、殺人事件が発生する。真夏の東京郊外で起こった殺人事件は、3年前に起こった通り魔事件の再演のようだった。元エンジニアの巡査、手越一誠。頭は切れるが極端にどんくさい、伊能紗莉奈。3年前の通り魔事件の犯人、田中背知(たなかせしる)。殺傷事件の謎を追う中、奇妙な3人の関係が描かれていく。
主人公の手越一誠は、警察官として平凡な郊外で起こった事件を追いかける。ストーリーは、殺人事件の捜査を中心に進行。ジャンルはビジュアルノベルとされているため、テキストと立ち絵やスチルによって、刑事ドラマのようなテイストの物語と、奇妙な三角関係が展開されていくのだろう。また本作では、作中のキャラクターや世界がPC-98風のレトロなピクセルアートによって描かれている。ドットで表現された味のある立ち絵やキャラクターたちも本作の特徴となっている。
本作を手がけているSummertimeは、クリエイター隷蔵庫氏による国内の個人サークルである。過去作としてはミステリー風の孤島サスペンスADV『MINDCIRCUS』、サイコサスペンスノベル『真昼の暗黒』、インタラクティブSFノベル『Coda』などいずれもPC向けのノベル/ADV作品をリリースしている。2020年9月配信の前作『ベオグラードメトロの子供たち』Steam版では、ユーザーレビュー33件中93%の好評を獲得。同作では、異能力を獲得した少年少女の戦いを軸に、閉塞感を抱えた少年の歪な青春の顛末が、鮮烈に描かれていた。本作においても、プレイヤーの心に鋭く突き刺さるような物語に期待したい。
また本作『サイレンス・オブ・スイッチブレード』では前作から引き続き、音楽系VTuberのバーチャルねこ氏が音楽を担当している。プレスリリースによれば、バーチャルねこ氏によるレトロでざらついた電子音楽が、郊外で起こった事件を不気味にミステリアスに引き立ててくれるそうだ。
『サイレンス・オブ・スイッチブレード』は、PC(Steam)向けに2022年末にリリース予定。発表にあわせて、Steamのストアページが公開されている。