Steam高評価シューティングゲーム、開発者が亡くなり無料配信。ユーザーレビューに死を悼む声あふれる

 

Steamにて配信中のシューティングゲーム『Waves』、『Waves 2: Notorious』の制作者が帰らぬ人となった。これを受けてSteamユーザーレビューには、彼の死に哀悼の意を表するコメントが寄せられている。海外メディアKotakuが伝えている。

『Waves』は全方向型のシューティングゲーム。サイバー空間にて迫りくるバグやウイルスなどをひたすら倒し続け、ハイスコアを目指す。敵を倒してコンボを繋げることが可能で、10コンボごとにボムを使用できる。ボムによるコンボでさらに次のボムを獲得、といったようにボムを連鎖させるゲームプレイが特徴となる。

続編となる『Waves 2: Notorious』ではボムの使用がゲージ制となり、コンボ数と無関係になったことで、ゲームプレイに変化がもたらされている。ポイントを振り分けてショットやボムの性能を設定可能なロードアウト機能など新要素も追加。また、マルチプレイヤーモードも追加されている。『Waves 2: Notorious』は2015年から早期アクセス配信開始され、正式リリースに向けてアップデートが続けられていた。

『Waves』、『Waves 2: Notorious』ともにSteamユーザーレビューにおいては「非常に好評」のステータスを獲得。きらびやかなグラフィックのほか、ボムによる爽快感あふれるゲームプレイなどが高い評価を受けている。アップデートによるバランス改善もまた、ユーザーからは好評であった。

『Waves』
『Waves 2: Notorious』


本シリーズを手がけていたのは個人開発者のSquid In A BoxことRob Hale氏。『Waves 2: Notorious』のSteam掲示板には8月14日、同氏に代わってパートナーのCJ氏がスレッドを投稿している。CJ氏によると、Hale氏は長期にわたって癌との闘病生活を続けていたという。この2か月間、Hale氏の体調はより深刻な状態に陥り、2週間前に癌の合併症により帰らぬ人となった旨が伝えられている。

またCJ氏の投稿によると、Hale氏の生前の意向により『Waves』および『Waves 2: Notorious』は現在無料で配信されているとのこと。Hale氏からのせん別として、本作を遊んだことがない人に手に取ってもらうことをCJ氏は望んでいるそうだ。

なおCJ氏によると、『Waves 2: Notorious』については、新型コロナウイルスなどによる経済状況の悪化や、Hale氏の健康状態の悪化により、開発時間の確保が困難になったそうだ。CJ氏は『Waves 2: Notorious』が完成を見なかった点に触れた一方で、Hale氏のゲーム作りに対する並々ならぬ情熱に言及。個人でゲームを開発しつづけ、絶えず挑戦を重ねてきたHale氏に対してCJ氏は敬意を表している。

『Waves 2: Notorious』


この報告を受けて、『Waves』および『Waves 2: Notorious』のユーザーレビューには、Hale氏を悼む声が数多く寄せられている。そうした投稿の中には、今まで両作をプレイしたことがなかったと思われるユーザーたちのレビューも。Hale氏の死を悔やみながらも、両作を楽しんで感謝を述べるコメントが散見される。Hale氏の意向どおり、『Waves』と『Waves 2: Notorious』は同氏からの別れの贈り物として、数多くのプレイヤーに親しまれているようだ。

Waves』および『Waves 2: Notorious』はPC(Steam)向けに無料配信中。Hale氏の遺した丁寧に作り込まれたシューティングゲームを、遊んでみてはいかがだろうか。