『マインクラフト』スティーブのひげがベータランチャーで復活。10年以上のツルツル状態から突如たくましいおひげ


『マインクラフト』プレイヤーキャラの初期スキンであるスティーブ。キーアートなどにも登場しており、本作の顔ともいえるキャラクターだ。そしてこのスティーブは、今後のアップデートで顎ひげが“復活”する見込みだという。海外メディアEurogamerなどが報じている。


『マインクラフト』は、人気のクラフトサンドボックスゲーム。プレイヤーは世界を探索し、素材を収集し、道具を作って行動の幅を広げていく。本作のプレイヤーキャラのスキン(見た目)はデフォルトでは2種類存在。水色の服を着た栗色髪のスキンと、緑の服を着た金髪のスキンが用意されている。青い方のスキンはスティーブ(Steve)、緑の方はアレックス(Alex)と呼ばれている。

スティーブは本作Alpha以前のバージョンであるJava Edition Classicから登場した、『マインクラフト』の顔ともいえるキャラクター。当初は名前が設定されておらず、本作の生みの親であるNotchことMarkus Alexej Persson氏のジョークからスティーブという名前が定着した経緯がある。そしてそんなスティーブに、今後のアップデートにて見た目に変化が加わる可能性があることが報告された。ひげが生えるのである。

Image Credit: Kidfury000 on Reddit


上のRedditスレッドで投稿されたのは、スティーブの新旧比較とされる画像。左のスティーブはさっぱりとした口元。右のスティーブは逞しい顎ひげをたっぷりとたくわえている。見方によってはひげ部分が笑顔の口元にも見えるものの、ひげである。

なお、弊誌でも検証したところ、“ひげ面スティーブ”は『マインクラフト』ベータランチャーにて選択可能であることが確認できた。同ランチャーにて新たにスキンを制作する際に、クラシックを選択することでスティーブはひげ面になってくれる。ベータランチャーは、今後実装予定の要素を一足早く試すことのできる機能。スティーブのひげも今後実装される見込みがあるということだ。しかしいったいなぜ開発元は、ひげ面スティーブの実装を予定しているのだろうか。

実は『マインクラフト』のキーアートなどにおいて、スティーブはひげ面である。また、スティーブが参戦する『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』においても、彼はひげ面である。『マインクラフト』作品外の、いわば“公の場”でのスティーブは、筆者が観測できた範囲ではすべてひげを生やしている。さらに、ゲーム本編においても当初スティーブはひげ面であった。つまり、キーアートやコラボにおけるひげ面スティーブは、当初の姿が採用されていたわけだ。


一方で、2010年に配信されたJava Edition Beta 1.0からはスティーブの顎ひげが綺麗さっぱりなくなってしまった。正式リリースを待たずして、ベータ版でひげは消失していたのだ。Notch氏はかつて、『マインクラフト』の世界には性別が存在しないと語っていた。スティーブに男性的なイメージが定着してしまったのは、同氏の意図しなかった事態だったそうだ。ひげが消失したのは、そうしたNotch氏の開発意図を反映した結果とも考えられる。

いずれにせよひげのないスティーブは、Notch氏が開発を離れたあとも含めて、10年以上にわたって『マインクラフト』の初期スキンであり続けた。現在ではアップデートを重ねてポニーテールの細身スキンであるアレックスが初期スキンに加わったほか、ダメージを受けた際の「うっ」という野太い声も廃止されている。『マインクラフト』プレイヤーキャラの男性的なイメージは薄まったといえる。

しかしその一方でひげの不在は、キーアートや『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』などにおけるひげ面スティーブのいわば「パブリックイメージ」的外見とは解離していたわけだ。このたびスティーブの顎にひげが復活しそうなのは、そうした『マインクラフト』本編外とのビジュアル統一を図るねらいがあるのかもしれない。また上述のRedditコミュニティでは、ひげ消失当時にアレックスのスキンが存在しなかった点を指摘するユーザーもいる。より女性的なルックスのアレックスの登場により、ベータ時代よりデフォルトスキンによる外見の選択の幅が広がった。そのため、「スティーブに男性的なイメージを復活させてもよいと判断されたのでは」との推察だろう。


ベータランチャーにおける要素は確実に実装されるわけではないものの、スティーブのひげが復活する可能性はありそうだ。もし実装されれば、キーアートや他作品で見慣れたスティーブとして『マインクラフト』を遊ぶことができるだろう。