山登りアクションゲーム『Celeste』開発者が、『OLDESTE』をいきなり配信。おばあさんをめぐる疑問へのアンサーとして
カナダのゲーム開発者Noel Berry氏は8月17日、Twitterで『OLDESTE』を公開した。人気アクションゲーム『Celeste』の登場キャラクター・おばあさんを主人公にした山登りアクションゲームだ。
『Celeste』は少女・マデリンをセレステ山の頂上まで導く山登りアクションゲーム。PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS4/Nintendo Switch/Xbox One向けにリリースされているが、実は本作以前に作られたオリジナル版が存在する。それがNoel Berry氏のツイートに記載のある「PICO-8」版である。その名のとおりゲームエンジン「PICO-8」を用いて制作された『Celeste』だ。PICO-8の特色であるドット絵で描かれたオリジナル版は、itch.ioでプレイができるほか、『Celeste』内でも隠し要素の1つとしてプレイができる。
オリジナル版ではジャンプとエアダッシュを駆使して、ギミックだらけのステージを進んでいく。『Celeste』で追加された壁つかみはまだ存在していなかった。操作自体は単純で、基本的には敵キャラが存在せず、ジャンプアクションに集中できる作りになっている。肝の部分であるマップの構成が非常に絶妙で、ジャンプの加減で穴に落ちたりトゲに当たったりという難関が続く。数々の失敗を重ねながら少しずつ進んでいく、いわゆる「死に覚えゲー」だ。ただし、ミス後のリトライがスピーディでストレスは感じにくい。こうしたデザインは本編の基盤となっているだろう。
Noel Berry氏のツイートによれば、オリジナル版におばあさん(Granny)はいるのか、という質問がしばしば寄せられているという。このおばあさんとは『Celeste』に登場キャラの1人であり、心に苦しみを抱えているマデリンに助言を与えてくれるキャラクターである。だが、オリジナル版には本編中のように語られるストーリーはなく、おばあさんは登場しない。しかし、Noel Berry氏は寄せられた質問に思わぬ形で回答をした。『OLDESTE』の発表である。
『OLDESTE』のベースはPICO-8で作られたオリジナル版だ。ただし、プレイアブルキャラがマデリンから変更され、おばあさんになっている。オリジナル版と同様にブラウザでプレイが可能で、矢印キーとXキーおよびCキーを使用するキーボード操作のほか、ゲームパッドにも対応している。さらにスマートフォンの場合は仮想ゲームパッドが表示されるようになっている。
ベースがオリジナル版ということでステージ構成もオリジナル版と同じ。プレイヤーを悩ませたコレクションアイテムであるストロベリーも健在だ。ただし、単純にキャラクターのグラフィックが変更されているだけではなく、左右移動やジャンプ、落下の速度が遅く調整されている。そのおかげか、プレイフィールとしてはキャラクターのコントロールはオリジナル版よりも楽に感じられる。特に落下速度の鈍化による難易度緩和は顕著で、オリジナル版をクリア済みなら頂上に到達することは容易ではないだろうか。また、オリジナル版や『Celeste』未プレイのプレイヤーは、まずは『OLDESTE』からプレイしてみるのも選択肢の1つだろう。
ちなみにNoel Berry氏は、『OLDESTE』の制作にかかったのは1時間程度で、あまり真剣に捉えないでほしいと語っている。あくまでジョークという構えで、ほぼ公式作品ながらも、もともとの作品とは無関係ということだろう。やはり、残念ながらオリジナル版におばあさんは存在しなかったのかもしれない。
Noel Berry氏は現在、『Celeste』を共に制作したMaddy Thorson氏率いるExtremely OK Gamesで新作『Earthblade』の開発を進めている(関連記事)。まだ公開されている情報は少ないが、こちらも今回のようなサプライズを待ち望むばかりだ。