Embracer Groupがさらに多数のスタジオを買収、株式会社TATSUJINが日本初の傘下スタジオに。東亜プラン作品のPC展開も予告【UPDATE】

パブリッシャーのTHQ Nordicなどを傘下にもつEmbracer Groupは8月18日、2022年度第1四半期の業績を発表。このなかで、さらなるスタジオ買収をおこなったことを明らかにした。買収対象には、日本の株式会社TATSUJINも含まれている。

パブリッシャーのTHQ Nordicなどを傘下にもつEmbracer Groupは8月18日、2022年度第1四半期の業績を発表。このなかで、さらなるスタジオ買収をおこなったことを明らかにした。買収対象には、日本の株式会社TATSUJINも含まれている。

Embracer Groupは、ゲームスタジオやIPの買収により近年急成長しているスウェーデンに拠点を置く企業だ。傘下にTHQ NordicやPLAION/Deep Silver、Saber Interactive、Gearbox Entertainmentなどを抱えている。また今年5月には、Crystal DynamicsとEidos Interactive、および『トゥームレイダー』『Deus Ex』などのIPを、スクウェア・エニックスから買収したことでも話題となった。

『Maneater』


今回の発表では、サメオープンワールドゲーム『Maneater』などで知られるTripwire Interactiveや、ダウンロード専用ゲームをパッケージ化して販売しているLimited Run Games、『Guitar Hero』シリーズなど音楽ゲームを手がけるSingtrix、Steamにて「圧倒的に好評」を得ている環境破壊アクションゲーム『Teardown』の開発元Tuxedo Labsなどを買収することで、各スタジオと合意したことが明らかにされた。日本の株式会社TATSUJINについても、最近買収していたことが報告された。

また、THQ NordicやPLAION、Saber Interactiveなどのように、傘下に開発スタジオを抱える運営グループのひとつとして、新たにEmbracer Freemode(以下、Freemode)を設立することも発表。Freemodeでは、中・小規模のスタジオを買収し、グローバルな戦略・運営・財務支援を提供する計画だという。レトロ・クラシックゲーム領域での活動に重きを置き、またゲーム・エンタメ施設への投資もおこなうとのこと。


先述した株式会社TATSUJINは、このFreemodeの傘下に入るかたちになるようだ。同社は、オルカや東亜プランなどに在籍したクリエイター弓削雅稔氏が2017年に設立した、東京に所在するゲーム開発会社。オリジナル作品を手がけているほか、『飛翔鮫』や『究極TIGER』『TATSUJIN』など、東亜プラン作品のライセンス事業も展開している。

今回の発表のなかでは、Embracer Groupは株式会社TATSUJINがもつ東亜プラン作品の権利を別途買収したことも明らかに。同社にはオリジナル版を手がけたスタッフもおり、東亜プランのクラシックタイトルを将来に繋げていくことが可能になったと説明されている。これに関連してEmbracer Groupは、スウェーデンに拠点を置くデベロッパーBitwave Gamesも買収している。同スタジオはFreemodeの傘下に入り、東亜プランの人気シューティングゲームをPCに移植しリリースするという。また同スタジオは、サンソフトがファミコン向けに発売したアクションゲーム『ギミック!』の、現行コンソール版の欧米での販売もおこなうそうだ。なお、同バージョンのリリース自体はまだ正式には発表されていない。

Embracer Groupが日本のスタジオを買収するのは、今回が初めてのことである。今後、東亜プラン作品のPC展開をおこなっていく方針とのことで、ファンから大きな注目を集めそうだ。

【UPDATE 2022/8/18 21:45】

Bitwave Gamesは8月18日、東亜プランのシューティングゲームのPC展開について正式発表した。対応プラットフォームはSteamおよびGOG.comとなり、まずは『TATSUJIN』『究極TIGER』『アウトゾーン』『ゼロウィング』の4タイトルをリリースするとのこと。『アウトゾーン』と『ゼロウィング』については、すでにSteamにストアページが公開されており、共に2022年内に配信予定のようだ。

移植にあたってはいくつか改善も施されているとのこと。Bitwave Gamesは、入力遅延の改善は優先項目であると説明。また、ベリーイージーモードの追加や、縦画面プレイへの対応、リプレイ機能、巻き戻し機能などについても、ストアページにリストアップされている。同スタジオは公式サイトにて、今後どのような東亜プラン作品の移植を望むのかコメントを寄せてほしいとしている。




※ The English version of this article is available here

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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