破滅東京ファンタジー『BLACK STELLA』新作開発が発表。前作サービス終了告知直後、豪華クリエイター集結作が再起を誓う
サイバーステップは8月15日、『BLACK STELLA』シリーズの新作開発を発表した。対応プラットフォームはiOS/Androidで、2023年春リリースが予定されている。本作は先日終了されることが発表されたスマートフォンゲーム『BLACK STELLA Iи:FernØ』の後継作となる。紆余曲折あった同シリーズの、一念発起の再スタートとなるようだ。
今回発表された『BLACK STELLA』新作は、3DCGを採用した作品となるようだ。詳細は未だ明かされていないものの、発表と合わせて公開された「開発初期戦闘イメージ映像」などからはある程度のゲームプレイが読み取れる。前作『BLACK STELLA Iи:FernØ』のようなタワーディフェンスバトルではなく、3DCGによるRPGのような戦闘となるようだ。『BLACK STELLA Iи:FernØ』でも登場した「彩瀬 魅彩」らと見られるキャラたちが、敵に対し、パーティを組んで攻撃を仕掛けるシーンが見られる。
同映像ではキャラたちが剣や杖を武器に戦っている姿のほか、敵味方のパーティへ何らかのスキルを使用しているところが確認できる。また、戦いの舞台となっているのは日本の市街地。前作の設定がそのまま引き継がれているのならば、東京都内が舞台のはずだ。
サイバーステップの発表によると、今回の新作開発主要スタッフは、前作『BLACK STELLA Iи:FernØ』から引き継ぐ形となるようだ。世界観設定には「ガールズ&パンツァー」の鈴木貴昭氏、メインシナリオには「冴えないヒロインの育てかた」の丸戸史明氏、「Re:ゼロから始める異世界生活」の長月達平氏、「ルガルギガム」の稲葉義明氏をはじめとした多数のシナリオライターが参加。そして、キャラクターデザインを「艦隊これくしょん -艦これ-」のおぐち氏が手がけるなど、多くの豪華クリエイターが肩を並べている。実をいえば、こうしたクリエイターらは『BLACK STELLA』開発に“再集結”したかたちとなる。
というのも、『BLACK STELLA』は元々、2019年に株式会社フジゲームスからリリース予定だった。しかし、2020年に入って「長期サービスとして提供することが困難と判断した」として開発が中止されてしまった。その後、サイバーステップがScopeNextと共にプロジェクトを再始動させて今年6月にリリースしたのが、『BLACK STELLA Iи:FernØ』となる。ただ、復活のリリースとなった同作については、評価が低迷。先日には、9月12日に同作がサービス終了されることが発表された。今回の発表では、新作に携わる村上弘明氏が『BLACK STELLA Iи:FernØ』が「期待してくださった方々の信頼を裏切るものとなった」と痛切に振り返っている。
村上氏は、シナリオ受託会社・オルクスの『BLACK STELLA』担当者だ。オルクスは、同プロジェクトの初期からストーリー部分を担当していた。同社はシナリオ受託会社という立場上、過去作開発のなかでシナリオ以外の部分にはほとんど参加できなかったという。そして今回、オルクスはフジゲームスから『BLACK STELLA』の著作権と商標権を継承。オルクスはこれまでの原作シナリオ会社としての役割を果たしつつ、今までの開発で任せっきりだった部分にも許される限り参加していくとのこと。一方、単独での開発の機会を与えられたサイバーステップ社長の佐藤類氏は、「企画当初の魂を持ちながら、まったく新しい、そして楽しい『BLACK STELLA』をお届けする」とコメントしている。
ちなみに、開発中止となったもともとの『BLACK STELLA』は、「ミスティカルRPG」というジャンルを謳うコマンドバトルRPGだった。今回公開された新作映像内の画面下部UIは、元の『BLACK STELLA』が開発されていた当時とほぼ同じに見受けられる。オリジナル版を色濃く継承する作品となるのだろう。オリジナル版での2D描画が、今回の新作で3Dとなっている点は、大きな違いだ。ただし、新作映像は開発初期段階の戦闘イメージとのことで、UIに関しても変更の可能性は大いにある。
オルクスの村上氏は、「皮肉なことに本作の世界観の如く“今再び死に戻る”本作になってしまいましたが」と自虐めいた一言を添えながら、より楽しめる作品づくりのための時間が欲しい、とユーザーに向けて伝えている。ゲーム部分はもちろん、本シリーズの肝と開発陣自身が評するシナリオが楽しめる作品になるよう、期待しながら続報を待ちたい。
『BLACK STELLA』新作は現在開発中。対応プラットフォームはiOS/Androidで、2023年春リリースが予定されている。
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