AI画像を使った短編ホラーノベル『壁夢』ブラウザ向けに無料公開。 Midjourneyで描いた、不気味な悪夢の世界
国内の個人ゲーム開発者852話(ハコニワ)氏は8月13日、『壁夢』をブラウザ向けに公開した。ゲームアツマールにて、無料でプレイ可能となっている。
『壁夢』は、奇妙な空間からの脱出を目指す、短編脱出ホラーノベルADVである。本作の主人公は、ある日悪夢の中に囚われていた。悪夢の世界は、四方が気味の悪い壁で構成されており、出口は見当たらない。また主人公には「夢の中にいる」という自覚があるものの、眠りから覚める気配はない。主人公は、不気味な悪夢から脱出するため、まずは周囲を探索していく。
プレイヤーは、主人公となって壁に囲まれた空間を探索する。本作では画面内をクリックすることで、視点の切り替えと各壁面の調査が可能。ほかの部屋はないため、周囲を見渡し、壁を調べることで、ストーリーが進行する。いくつかバッドエンドが用意されており、公称プレイ時間は全ルートを経て15分程度。不気味な悪夢に囚われた主人公の物語が、コンパクトに描かれるわけだ。
本作は、AIに対して文章を入力することで画像を生成するサービス「Midjourney」による画像を使った作品だ。最近インターネット上では、Midjourneyで生成された画像の投稿や、Midjourneyで目的の画像を生成する方法の研究などが、盛んに行われている。本作の開発者である852話氏も、Midjourneyの使い方を模索している人物の一人だ。同氏はAI画像を用いたホラーゲームの制作以外に、AIによるマンガ的な表現の画像や、AI生成の画像をもとに作成したドット絵の画像などをTwitter上に投稿。またAIにデザイン表を狙って生成させるための“呪文(生成文や設定)”の公開もおこなってきた。
本作『壁夢』では、統一感のある雰囲気とタッチによる背景画像で、四方を壁に囲まれた悪夢の世界が描写されている。そんな世界を表現している背景画像が、AIによって生成された画像であるわけだ。本作中に使用されている画像を見る限りでは、そうといわれなければ、人間のアーティストが描いたものと見分けはつかないように思う。AIの生成した画像が、少なくともノベルゲームの背景として使用可能なレベルに達しているのは確かだろう。AI生成画像を用いた、より本格的な作品の登場にも期待したいところだ。またAI画像を使ったフリーノベルゲームとしては、国内のゲーム制作者HIJIKI氏による『AI怪画』も無料公開中となっている。
『壁夢』は、ゲームアツマールにてブラウザ向けに無料公開中だ。
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