任天堂の暑中見舞いメールで、マリオが乳首を解禁。原点回帰の2022乳首

 

任天堂は8月5日、ニンテンドーアカウント登録者向けに暑中見舞いメールを送信した。その中で、マリオの胸部に乳首が描かれている。紆余曲折を経てまたしても描かれるマリオの乳首。

マリオは、任天堂が誇る国民的人気キャラクターだ。配管工としてのキャリアルーツをもち、現在はさまざまな「マリオ」シリーズ作品で幅広い活躍を見せている。そしてマリオは哺乳類ということで、当然胸部には乳首を備えている。世界のスーパースターとはいっても、乳首をもつという点で我々と同じということで、親近感を覚える人も多かっただろう。

マリオの乳首が注目を集めるようになったのは2017年末のこと。『スーパーマリオ オデッセイ』にて、パンツ服を購入することで、マリオがパンイチ姿に変身。上半身は裸となっており、その胸部に描かれた薄い色素の栗色乳首が全世界で注目を集めた。マリオには乳首がある。世界がはっきり認識した瞬間であった。2019年11月に発売された『マリオ&ソニック2020東京オリンピック』でも、3Dモデルで描かれたマリオの胸部には乳首が描写されていた。マリオあるところに乳首あり、そう思った人もいたかもしれない。


しかし雲行きが変わったのは2020年。任天堂は、暑中見舞いとしてマリオがバカンスを楽しむ3Dレンダリングの画像を公開。同画像に映ったマリオは、上半身は裸ながら乳首が映し出されていなかった。アゴで隠れている可能性は否定できないものの、それにしても乳首がないのは不自然。「マリオから乳首が消えた」と、主に弊誌が報じていた。


さらに任天堂は2021年にも、ニンテンドーアカウント登録者向けに暑中見舞いメールを送信。その中で、やはりマリオがバカンス中の画像が映し出されていた。しかしながら今度のマリオは背中向き。またしても乳首が映らないように配慮されていた。「あえて乳首を隠しているようにも見える」として、主に弊誌が報じていた(関連記事)。


そして2022年夏に、ふたたび任天堂はニンテンドーアカウント登録者向けに暑中見舞いメールを送信した。マリオの乳首はなかったことにされると思われたが、今回は違った。2022年夏のマリオには、乳首が描かれているのだ。

サーフボードを持ってバカンスを楽しんでいるであろうマリオ。布のような背景演出となっており、イラストにはかすれたような線や“汚し”が入っている。しかし注目したいのはその胸部には、黒い2つの点があること。乳首であるだろう点が描かれているのである。マリオの乳首が再び解禁されたのだ。


乳首の描画技法としては原点回帰式といえるだろう。任天堂はこれまでイラストベースでマリオを描く時には、マリオの乳首を黒い点で描いてきた。その路線を踏襲し、今回のマリオの乳首も黒点によって描かれている。派手さはないものの、過去描写との整合性が一貫している。任天堂の、そしてマリオの長い伝統を示すかのような、貫禄があり安定感のある乳首だ。そしてその黒点も心なしか過去絵よりも大きく描かれている(ような気がする)。

今回の乳首は一見すると地味な2D乳首であるが、伝統を守り、かつ乳首としての自己主張ももたせた乳首なのだ。マリオの首から下には影が落ちており、ここの影をもう少し下に伸ばすことで「乳首があるかもしれないけど影が落ちていて判別つきません」として、曖昧な表現に逃げることもできたはず。また、かすれや汚しの表現で乳首をふたたび隠すことも可能だったはずだ。あえて汚しや影の表現とは別に乳首を描写したことにより、「ちゃんと乳首を描写しようとした」という信念がうかがえるだろう。

マリオの乳首描写をめぐっては、賛の意見や否の意見もあったはず。マリオに乳首はあるべきではないと思った人もいるかもしれない。しかしながら、任天堂は多大な勇気をもってマリオの乳首を、控えめながら克明に描く決断に至った。マリオが我々と同じ人間であることが、再び認識できたことだろう。来年のマリオに乳首が描かれるかどうかを、今から気にすることは無粋。今年マリオが元気に乳首を披露してくれたことを、静かに称賛したい。乳首があるマリオが描かれたこの壁紙は、マイニンテンドーにて8月31日まで配布中である。PC向けにも用意されているのでご賞味あれ。

なお、マリオの活躍が見られるNintendo Switch向け 3Dマリオアクション最新作『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』は、現在ニンテンドーeショップにて30%オフの4604円でセール中(同作ではマリオの乳首は見えないが)。そのほか、任天堂は現在サマーセールを展開中なので、マリオの活躍を見たい方は該当ページをチェックしてほしい。


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国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)