『エルデンリング』のマレニア、リリース寸前までもっと強かった。ガードは堅く、乱舞は2種類


エルデンリング』屈指の“強ボス”として知られるマレニアは、リリース寸前のバージョンではさらに強かったようだ。本作バージョン1.0を再現したとするユーザーが、その猛威について報告している。なお、本稿にはボスなどに関するネタバレとなりうる要素が含まれるため、留意してほしい。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。本作は『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く受け継ぎつつ、舞台を広大なオープンフィールドへ変更。多くの新要素も盛り込んだ新作となっている。また、攻略の自由度は増しつつも戦闘は引き続き手強い。また、強敵揃いの本作のなかでも、数体のボスについてはことさら強いと評判。たとえば、容赦ない連携がプレイヤー泣かせの「神肌のふたり」や、問答無用の圧倒的な暴力によって敗北を拒む「星砕きのラダーン」などが挙げられる。そして、終盤ダンジョンの最奥で待ち構える「ミケラの刃、マレニア」も、その一角だ。


ただし本作リリース後、上述の強敵たちには調整も入っている。特にラダーンについては、後の調整で顕著に戦闘力が下げられたボスだ。また、神肌のふたりについても、AIの調整などによって比較的戦いやすくなったとの声もある。一方でマレニアについては、不具合で逆に強化されてしまうなどの一幕も。こうした調整については、一部除きパッチノートなどで名指しで明示されたことはなく、プレイヤーの感覚による部分は大きい。しかし、折に触れて調整がなされていることは間違いないのだ。

そして、本作発売の前には、マレニアにかなり大幅な調整がなされていたようだ。Mod制作者のkotn3l氏は7月10日、自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿。『エルデンリング』バージョン1.0におけるマレニアを再現したとして、現行のマレニアとの挙動の違いを分析している。

kotn3l氏によれば『エルデンリング』バージョン1.0は、コンソール向けパッケージ版のディスクからのみ、そのデータを利用可能であるという。同氏はそのデータを利用し、PC版本作にて再現したそうだ。また、本作発売時のバージョンは1.01と見られる。つまり上記動画では、多くのプレイヤーが相対したことのない、リリース直前バージョンのマレニアを再現しているわけだ。

リリース前のマレニアには、現行のマレニアといくつかの違いが見られるとのこと。たとえば第1段階では、現行のマレニアよりさらに攻撃的な傾向があるようだ。そしてガードについても多用してくるとのことで、特に連続攻撃の2段目以降をしっかりと防いでくる様子だ。ただでさえ体力回復能力が厄介なマレニアが、さらに守りまで堅いのはやり過ぎと判断され、調整が入ったのかもしれない。


さらに恐ろしいのは、リリースバージョンからは削除されたと見られる“別の乱舞攻撃”の存在だ。マレニアを象徴する技といえる水鳥乱舞は、一旦飛び上がって落下し、目にも留まらぬ速さの斬撃を四方八方に繰り出す恐ろしい技。こちらは現行のマレニアも利用し、多くの褪せ人を泣かせた恐怖の攻撃である。一方で、リリース前のマレニアはこの水鳥乱舞のほかに、別の乱舞攻撃を備えているのである。こちらはプレイヤーを追跡しつつ、執拗に乱舞を繰り返すようなさらに恐ろしい技となっている。

なお、kotn3l氏いわく、現行の水鳥乱舞はバージョン1.0にて「Malenia’s Blade(マレニアの刃)」と名付けられていた様子とのこと。2種類の乱舞攻撃をいなす難しさを想像すると、現行の調整に感謝せざるを得ない。ほかの相違点としては、第2段階で発動してくる「朱きエオニア」様の攻撃を、現行より高頻度で放ってくるような傾向などが見られるようだ。

Image Credit: kotn3l on YouTube

kotn3l氏の分析からは、2種類の乱舞やガードの堅牢さなどをもつ“リリース前マレニア”の猛威がうかがい知れた。我々プレイヤーが悲鳴をあげたあの強さも、若干の手心がくわえられた結果だったのである。なお、kotn3l氏はNexus Modsにて、この旧バージョンのマレニアと戦えるMod「Malenia AI from 1.0」を公開中だ。PC版『エルデンリング』所有者は、本来マレニアがどれだけ強かったのか、その身をもって確かめてみるのもよいだろう。