『Call of Duty: Warzone』新“犬スキン”に盗作疑惑が浮上。消えたモフモフ勇敢なサモエドソルジャー

『Call of Duty: Warzone』にて先日告知された新オペレータースキンに盗作疑惑が浮上し、物議を醸している。海外アーティストがSNS上にて、同スキンのデザインが自身の描いた作品に酷似していると指摘したのだ。

Call of Duty: Warzone』(以下、Warzone)にて先日告知された新オペレータースキンに盗作疑惑が浮上し、物議を醸している。海外アーティストがSNS上にて、同スキンのデザインが自身の描いた作品に酷似していると指摘したのだ。この指摘はコミュニティの反響を呼び、Polygonなど各海外メディアも伝えている。

『Warzone』は、基本プレイ無料のバトルロイヤルFPSゲームだ。本作は2019年発売のリブート版『Call of Duty: Modern Warfare』の一部としてリリース。以降、コンテンツ追加などを重ねながらサービスが続いており、現在はシーズン4が進行中。日本時間7月28日には、ミッドシーズンアップデート「富を求める傭兵達」が配信された。新たなオペレータースキンの配信予定や新ゲームモードが告知され、映画「ターミネーター」からT-800およびT-1000が、近日ゲスト登場することも明かされている。


そうした一連の告知のなかで登場したのが、「Loyal Samoyed」と呼ばれるスキンだ。こちらは『Warzone』および『Call of Duty: Vanguard』にて利用可能となる予定だったと見られる。このスキンの特徴は、頭が丸ごとモフモフのサモエド犬となっている点。とはいえ、犬人間が登場するわけではなく、素顔を覆い隠す被り物である。バリエーション豊かな『Warzone』スキンのなかでも、かなり異色でインパクトのあるデザイン。犬好きはふと心を掴まれてしまいそうな姿となっている。しかし、7月30日にこのスキンに対する疑義が持ち上がることになる。とあるアーティストが、「Loyal Samoyed」スキンのデザインは自身の作品の盗用である、と主張したのだ。

画像左端が「Loyal Samoyed」スキン(現在は差し替え済)

盗用を主張したのは、中国を拠点とするコンセプトアーティストのSail Lin氏。同氏は自身のTwitterアカウント上にて、「Loyal Samoyed」スキンと自身の作品「SAMOYE MEDICAL」の比較画像を投稿している。比較参照してみると、たしかに類似点は多い。頭部がサモエド犬となっていることはもちろん、衣服やスカーフなどの全体的なデザインや、肘パッドやポーチの位置・造形なども相当に似通っている。また、ArtStationのLin氏のページによれば、「SAMOYE MEDICAL」が公開されたのは2019年のこと。「Loyal Samoyed」の登場に先んじて、この作品を世に出していたわけだ。また、同氏はほかにも兵士姿の動物を描いた作品を多数手がけている

Lin氏の主張は、またたく間に多くのユーザーに受け入れられることとなった。上述のツイートは3700件以上の総シェア数に到達したほか、Redditでは盗作疑惑を取り上げたスレッドが立てられた。こちらについては、Upvote(評価)数が10万件を突破。同掲示板においても比較的稀な大反響と呼べる状況となっている。また、いずれのSNS上でも、デザインの盗用があったと見る意見が大多数を締めているようだ。また、時を同じくして各海外メディアも本件について報道。「犬スキン」盗用疑惑が、またたく間に大きなトピックとなったわけだ。

Sail Lin氏による類似点の比較画像
Image Credit: Sail Lin on Twitter

一方で、本作開発・運営元であるRaven SoftwareおよびActivision側は、騒動の影響か犬スキンに関連する情報を公式サイトやSNS上から削除した様子だ。国内向けの「富を求める傭兵達」告知ページについても、公開時に含まれていた犬スキンの画像が、現在は差し替えられていることがわかる(Wayback Machine/現在の告知ページ)。なお、本稿執筆現在において、Raven SoftwareおよびActivisionからの本件に関する発表は見受けられない。

盗用が事実なのか、そしてスキンとLin氏の作品の類似の背景にいかなる経緯があったのか、いずれにせよ今後の公式発表を待つほかないだろう。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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