『EVOLVE』が“二度目の死”から立ち上がる。復活を支えたファンコミュニティの愛


Evolve Stage 2』のPeer-to-peerネットワークサービスが、数か月前突如停止され、そして復活をはたすこととなった。復活の舞台裏には、ファンコミュニティの愛があったようだ。NMEが伝えている。


『EVOLVE』は、2015年2月にリリースされた4vs1型の対戦マルチプレイヤーシューターだ。1体のモンスターと4人のハンターが戦う非対称対戦システムを採用。『Left 4 Dead』を生みだしたスタジオTurtle Rock Studiosが開発を担当していた。しかしリリース後は有料コンテンツの多さが批判を受け、またバランス調整などでも苦しみ、プレイヤー人口は減少の一途を辿る。2016年7月にはPC版のF2P化が発表され、『Evolve Stage 2』へと生まれ変わったものの、プレイヤー数低下の歯止めはかからなかった。

その後、公式サイト上にて『Evolve Stage 2』の専用サーバーの運用が、2018年9月3日をもって終了することが発表された。一方、PlayStation 4およびXbox Oneユーザーは引き続き、Peer-to-peerネットワークを利用した『LEGACY EVOLVE』として同作をプレイすることが可能であった。PCユーザーもまた、特定の手順を踏むことで『LEGACY EVOLVE』を楽しむことができた。


しかし数か月前、突如『LEGACY EVOLVE』のPeer-to-peer機能が停止。本作を遊ぶ手段は失われてしまった。この事態にいち早く気づいたのが、Discord上のファンコミュニティサーバーであるEvolve Reunited 2.0だ。サーバー運営者であるPinocchioh氏は6月15日、メンバーたちに2Kサポートページでの報告を呼びかけた。またDiscord とは別に、SNS上でもそうした動きは見られていた。


そしてDiscord サーバー上では6月17日、Pinocchio氏により、2Kサポートチームから対応するという返答があった旨が報告。その後7月8日には、PCおよびコンソールでのPeer-to-peer機能が回復していることが確認され、7月22日には晴れてオンラインPeer-to-peerサーバーが復活することとなった。Pinocchio氏は呼びかけに応じてくれたメンバーたちに感謝を述べるとともに、復活を祝して同日中の『LEGACY EVOLVE』での試合開催を発表。その日の模様をDiscordメンバーの一人が配信している。


復活を受けて、2019年以来50人前後で停滞していた同時接続プレイヤー数も、ここ2日間はピーク時200人近くまで回復している(SteamDB)。また、Hunt(狩猟)モードにおけるクレートシステムも復活していることが報告されている。クレートは2018年にオンラインサーバーが停止した際、同時に廃止された。2Kが今回のPeer-to-peerサーバー再開にあわせて、復活させた可能性もあるだろう。

Discord サーバーの参加者は、海外掲示板Redditでも今回の一幕を報告している。Discord上には、10000人以上のメンバーが参加。彼らは連日、新たなフレンドを作りながら本作を楽しんでいるそうだ。数年前に公式サーバーが停止したタイトルにもかかわらず、活発なファンコミュニティが形成されているといえる。またReddit投稿者は、今回2Kの対応にもそうしたコミュニティの影響が少なからずあると分析。同社がPeer-to-peerサーバー再開に対処してくれたのは、このゲームを熱狂的に愛し、今でも定期的にプレイしている何千人もの人々がいると認識してくれたからだろう、との見解を述べている。


ファンの根強い愛に支えられて、事実上2度目の死から立ち上がることとなった『LEGACY EVOLVE』。これからもファンの深い愛によって、本作の火は守られていくことだろう。一方で、本作の各ストアでの販売は終了している。新規プレイヤーは、ゲームキーを入手する必要がある。上記のReddit投稿者も、Steamストア上での再配信を望んでいるようだ。とはいえ、本作はサービスが終了されたゲーム。ゲームを運営するには、コストもかかる。現状では、さらなるプレイヤー獲得への道のりはやや険しいといえるかもしれない。