『VALORANT』では敗者同士がマッチングする仕組み “Losers Queue” は存在しない。開発者が正式に存在を否定

『VALORANT』シニアコンペティティブデザイナーのEvrMoar氏は7月23日、自身のTwitterアカウントにて、『VALORANT』では前回の試合で負けた者同士がマッチングする仕組み、いわゆる “Losers Queue” は存在しないと公表した。マッチングはあくまで勝利する可能性が50:50に近くなるように調整されているようだ。

VALORANT』シニアコンペティティブデザイナーのEvrMoar氏は7月23日、自身のTwitterアカウントにて、『VALORANT』では前回の試合で負けた者同士がマッチングする仕組み、いわゆる “Losers Queue” は存在しないと公表した。マッチングはあくまで勝利する可能性が50:50に近くなるように調整されているようだ。

今回の公表のきっかけとなったのは、海外人気ストリーマーShroud氏による数週間前の配信中のとある出来事。現在は海外プロチームSentinelsのプロ選手でもあるShroud氏は、ある日『VALORANT』のコンペティティブモードをプレイしていた。その日の配信では1試合目からずっと敗北が続き、配信開始から約6時間が経過して7連敗まで続いた。

そんな中で始まった8試合目、試合開始直後にチャット欄の「一度連敗が始まると “Losers Queue” に入れられるから、正直言って次の日になってからプレイした方がいいよ」というコメントに注目。Shroud氏本人はこの噂話に対して、最初は信じられなかった様子であった。しかし、それに反してチャット欄では賛同の声が多くあがる。そこで、Shroud氏が実際に一緒になったチームメイトに「直前の試合で負けたか?」と質問を投げかけてみることに。すると、チームメイトのレイナが「現在20連敗中だよ」と回答。これには目が点になるShroud氏。続けてチームメイトのジェットが「負けたばかりだよ」と回答し、敗者同士がマッチングしていることを知る。Shroud氏は “Losers Queue” は確かにあると信じたようだ。

※ Shroud氏の配信切り抜き動画

Shroud氏の配信画面のスクリーンショット。結果、連敗は8連敗まで続いた。配信アーカイブから引用


そしてこのShroud氏の疑問に応える形で、『VALORANT』シニアコンペティティブデザイナーのEvrMoar氏が自身のTwitterアカウントにて、正式に “Losers Queue” の存在を否定した。同氏は冒頭でShroud氏の動画に言及した上で「分析の結果、連敗はプレイヤーがゲームを辞めてしまう主な理由の一つであることが判明しました。なので『VALORANT』には ”Losers Queue” なるものは実装していません」とコメントしている。

また、同氏は本ツイートのスレッドにて「プレイヤーが “Losers Queue” なるものを感じるメカニズムについては不明ですが、そのように感じさせてしまったことを本当に申し訳なく思っています」とプレイヤーの心情に理解を示した上で、「結局、我々は意図的にキューを操作することはしません。とても単純な話で、勝利する可能性が50:50となる2チームをマッチングさせようとするだけです」とコメントしている。本スレッドは最後に「不公平に操作されたマッチメイキングではなく、公平なマッチメイキングの方が、プレイヤーはそのゲームを長くプレイし続ける、という調査結果があります」という説明で締められている。

なお、EvrMoar氏は自身のTwitterアカウントにて、 “Ranked Fact Friday” というタイトルで、『VALORANT』のコンペティティブモードに関する開発秘話を毎週金曜日に連載している。興味のある読者はフォローして読んでみるといいだろう。

Shinichiro Nakamura
Shinichiro Nakamura

シューターとRPGをこよなく愛するゲーマーです。シューターは『VALORANT』と『CS:GO』が特に大好きです。RPGは『ファイナルファンタジー』シリーズが好きです。

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