『Apex Legends』において、チーターにうんざりしたプロ選手が、強引な方法で不正対策チームを焚きつける一幕があったようだ。迷惑ともいえるその方法に、開発元Respawn Entertainmentのセキュリティ担当者は怒りを露にしている。
『Apex Legends』においては、チートなどの不正行為への対策として、ゲーム内の通報フォームのほか、通報窓口となるTwitterアカウントが用意されている。不正行為の確認できるクリップなどを報告すれば、不正者のアカウント停止などの対応をおこなってくれる。Respawn Entertainmentでセキュリティアナリストを務めるHideoutsことConor Ford氏のほか、国内向けにはRin Matsuoka氏が対応している。また、ほかのスタッフやチートの自動検知システムなども合わせて、チート対策がおこなわれていることだろう。
一方で、そうした対策チームを焚きつけるかのような投稿をするユーザーが現れた。eスポーツチームFURIA所属のプロ選手である、HisWattsonことJacob McMillin氏だ。
同氏は北米サーバーではEST(東部標準時)で午前1時から7時のあいだ不正対策チームが活動していないと指摘。その時間帯なら、不正行為によってアカウント停止処分を受ける可能性が非常に低くなると、本作のチーターたちに呼びかけている。ただこの投稿は、チーターたちに有益な情報を与えることだけが目的ではないようだ。同氏は、この情報を明るみに出すことで、運営側がなんらかの対策に乗り出すことを願っているという。ようするに、チーターの後押しをすることで、運営元EAにさらなるチート対策をさせようという半ば当てつけのような発言だ。
この投稿はインフルエンサーのJake Lucky氏によって拡散。Conor Ford氏の目に留まることになった。同氏は対策チームの休止時間を指摘されたことに対して「This is real cringe(マジでイタいやつだな)」と怒りを露にしている。このリプライに対して、McMillin氏が現れ応戦。対策チームがぐっすり眠っているあいだに、自分はいつも3時間ほどチーターの相手をしなければならないと主張している。そして、うんざりしてるのはこっちの方だと反撃した。
これを受けてFord氏もヒートアップ。同氏によれば、チート対策改善に向けての取り組みはおこなわれており、何もしていないと決めつけないでほしいそうだ。あわせて、McMillin氏の「睡眠時間を削ってやれ」との趣旨の発言は幼稚かつ無益であるとして批判している。
この返答に対して、McMillin氏はチート対策改善への取り組みがおこなわれていることは重々承知だと反論。不正者たちもチート対策の改善を望んでいないだろうし、それがあなたの仕事だ、とややトゲのあるコメントを残し、議論は幕を閉じている。あくまでもMcMillin氏は、自身のプレイする時間帯にチーターが蔓延っていることを指摘したかった様子であった。
『Apex Legends』におけるチート問題。対策チームは用意されているものの、人力の部分についてはどうしても手薄になる時間帯はあるようだ。しかし、チーターを焚きつけて対策を促す行動は控えるべきだ。一方で、Ford氏の語るように、チート対策改善への取り組みについては日夜進められていることだろう。いずれにせよ、スタッフも人間である以上、休息無しでチート対策に取り組むことは不可能。望むとすれば、さらなる不正対策チームの拡充だろう。