とあるボードゲームメーカー、Kickstarter支援者に対し「追加資金を払わないと商品を発送しない」と発表。賛否両論渦巻く

Mythic Gamesは7月21日、「Darkest Dungeon: The Board Game」の支援者たちに向けて、製品発送のために追加の支援が必要となることを発表した。同ボードゲームは、2020年11月にKickstarterを達成。出荷予定日を大きく過ぎて、発送が待たれるなかでの発表となった

Mythic Gamesは7月21日、「Darkest Dungeon: The Board Game」の支援者たちに向けて、製品発送のために追加の支援が必要となることを発表した。同ボードゲームは、2020年11月にKickstarterを達成。出荷予定日を大きく過ぎて、発送が待たれるなかでの発表となった。


『ダーケストダンジョン』2016年1月にSteamにて正式リリースされたローグライク型のRPGだ。本作最大の特徴は、冒険者が抱えるストレスを管理すること。プレイヤーは町で冒険者であるヒーローを雇い、4人パーティーを編成してダンジョンへ送り出す。そしてお金や資源などのアイテムを獲得し、町の施設をアップグレードしつつヒーローを強化していく。

そして『ダーケストダンジョン』をもとにした「Darkest Dungeon: The Board Game」は、2020年7月に発表された。ゲーム開発を手がけたRed Hook Studiosとの提携のもと、ボードゲームパブリッシャーであるMythic Gamesが開発を担当。Kickstarterでは3万人近くの支援者を集め、565万7479ドル(約7億8000万円)の支援金額を達成した。しかし、2021年11月に予定されていた製品の発送はパンデミックの影響により延期。ようやく発送の目途が立った折に、追加の資金を要することが発表された。


支援者は自身が受け取る製品の種類に応じて、18ドルから69ドルの間で設定された追加資金を支払う必要がある。2区分ある製品のうち、1区分目となるWave 1については8月1日までに追加資金を支払えば、8月中旬に発送されるとのことだ。また支援者は、すぐさま追加資金を支払わずに待つこともできるという。その場合、追加資金が支払われるまで、製品は工場に保管されるそうだ。

なお、Wave 1の英語表記製品は、Mythic Gamesのオンラインストア上での販売も告知されている。支援者たちへの発送が終わったのちに、同ストアでの注文が可能となるという。追加資金分込みでも、Kickstarterでの支援価格より安く販売されることはないとのことだ。

なお、払い戻しについては原則おこなわれないという。Wave 1の製品はすでに製造およびその支払いが終わっているからだそうだ。ただ、希望者用の連絡先は用意されており、個々の状況に応じて最善を尽くしていくとのことだ。


発表によると、追加資金が必要となった原因は、新型コロナウイルス感染拡大およびロシアのウクライナへの侵攻にあるそうだ。2020年11月のKickstarter終了時と比べて、各地への輸送コストは平均で約600%増加、増加分はおよそ140万ドル(約1億9200万円)になるという。紙やプラスチック、梱包用の段ボールといった原材料費も少なく見積もっても30%ほど高騰。製造コストは35万ドルほど増加したとのこと。

そして、増加分である175万ドルのうち、半分である87万5000ドルはMythicとRed Hookが負担することが決定。Red Hookが10万ドル、Mythicが77万5000ドルを負担するとのこと。残りの半分をKickstarterの支援者たちに募ることになったのだという。


発表ページのコメント欄には賛否両論が巻き起こっている。理解を示すユーザーもいる一方で、増加したコストの不透明さに不安を覚えるユーザーも。また、Wave 1発送直前で返金が不可能な時期の発表となったことに怒りを覚えるユーザーは多いようだ。

『ダーケストダンジョン』のボードゲームはKickstarterの成功から一転、パンデミックや戦争の影響で苦境に立たされているようだ。今回の対応には納得できていない支援者たちも多く、今後の動向が注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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