Steam高評価狂気ADV『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』および前作が日本語対応。不安に狂う少女の“頭の中の声”となれ

 

個人開発者のNikita Kryukov氏は7月19日、『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』が日本語表示に対応したことを発表した。また、7月18日には前作も日本語表示に対応。立て続けにシリーズ2作品が日本語に対応したかたちだ。Steamで高評価を受けていた両作が、国内ユーザーにも遊びやすくなった。

『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』

今回日本語表示に対応したのは、Kryukov氏が手がける『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』(以下、Milk1)およびその続編である『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』(以下、Milk2)だ。いずれの作品も、主役となるのは心を病んだとある少女。そしてプレイヤーは、少女の頭の中にいる存在として、彼女と日常を共にする。不穏な世界観を特徴とするアドベンチャーゲームとなっている。

『Milk1』トレイラー

『Milk1』は、2020年にリリースされたテキスト主体のアドベンチャーゲームだ。主人公の少女は、ミルクを買うために商店に向かう。しかし、過去のトラウマや性格から不安に苛まれる少女にとって、他人から見れば簡単なおつかいすらも心を苛む苦難となる。対人不安や家庭環境への恐怖などが、彼女の足枷となるのだ。そんな時、彼女が話しかけるのは頭の中の声、すなわちプレイヤー自身だ。プレイヤーは半ば幻聴、半ばイマジナリーフレンドのような存在となり、少女を励ましたり冷やかしたりしつつおつかいの完了を見守る。

『Milk1』

本作は10分~15分ほどのプレイ時間を想定しており、小粒ながら独特の体験ができる作品だ。また、Steamにおけるユーザーレビューは記事執筆時点で1万1000件以上が寄せられており、うち97%が好評の「圧倒的に好評」ステータスとなっている。本作の日本語訳を手がけたのは、国内有志のMohiMojito氏。同氏は自身のブログにて、本作翻訳の背景や考察についての記事を公開している。本作クリア後に読むとよいだろう。

『Milk2』トレイラー

『Milk2』は、前作の物語の直後から始まる。ゲームプレイとしては、画面の気になるポイントをクリックして進行する、いわゆるポイント&クリック式を採用。舞台は少女の自宅へと場所を移している。こちらでもプレイヤーは頭の中の声として少女と対話。自宅に存在するあれこれを探り、少女のトラウマを紐解いていく。少女がなぜ不安に苛まれるのかが、より深く、そしてより痛切に描かれる。

こちらについても、記事執筆現在Steamユーザーレビューにて5000件以上が寄せられ、「圧倒的に好評」ステータスとなっている。こちらの日本語訳を手がけたのは、Rina Watanabe氏および国内翻訳者の高橋温氏。高評価でありつつも日本語表示に対応していなかった両作が、このたび日本語で楽しめるようになったわけだ。

『Milk2』

初作『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』はPC(Steam/itch.io)向けに、続編『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』もPC(Steam/itch.io)向けに配信中。なお、日本語表示に対応しているのは、現状Steam版のみと見られる。