『レッド・デッド・オンライン』ゲーム内で、同作を偲ぶ「葬式」が開催される。“企画した後に”大規模アプデ終了の悲報届く

 
Image Credit: Rockstar Guides on Twitter

Rockstar Gamesが開発・運営する『レッド・デッド・オンライン』にて7月13日、プレイヤーがゲーム内の墓地や教会に続々と集合した。ファン主導でゲームを偲ぶ「葬式」イベントが実施されたとのこと。本作はメジャーアップデートの終了が発表されているものの、「葬式」が企画されたのはその“直前”であった。IGNなどが報じている。

『レッド・デッド・オンライン』(以下、RDO)は、アメリカの西部劇の世界を舞台にしたアクションゲーム『レッド・デッド・リデンプション2』のオンラインモードだ。本作は以前から、追加要素の少なさがしばしばユーザーの不満点として挙げられていた。2019年のリリースから2021年7月の最新アップデート「血染めの金」まで、新規ミッションの追加といった大規模なコンテンツ追加は3年間で4回に留まる。

一方、同じくRockstar Gamesが開発・運営する『Grand Theft Auto Online』(以下、GTAオンライン)は、犯罪キャリアやコンタクトミッションの追加といった意欲的なアップデートが予定されている。リリースからまもなく9年になる『GTAオンライン』に比べ、『RDO』の大規模アップデートはその頻度、追加要素の量ともに大きな差がある状態だ。これに対し『RDO』ファンは、以前よりハッシュタグの「#SaveRedDeadOnline」(『RDO』を救って)を掲げてコンテンツの追加を訴えてきた(関連記事)。


しかしプレイヤーの思いは届かず、最新アップデートから1年になる2022年7月になってもアップデートの予定は発表されなかった。一部のプレイヤーの間では、すでに本作がRockstar Gamesから見放されたとの見方が強まっていたものと思われる。そこでコミュニティハブのRed Dead Newsは、コミュニティ主導の「葬式」イベントを提案。最後のメジャーアップデートの1年後にあたる7月13日に、正装でマップ内の教会や墓場に集合。撮影したスクリーンショットを「#RedDeadFuneral」(『RDO』の葬式)のタグでSNSに投稿するようプレイヤーらに呼びかけた。プレイヤー同士で地域ごとの時差があることを踏まえ、イベント開催は時間を定めず7月13日の終日に設定。Rockstar Gamesへの皮肉を込めつつも、コミュニティ主導で本作を楽しまんとする取り組みだろう。

しかし、この直後に「葬式」を後押しするような出来事が起こる。「葬式」イベントの提案からわずか2日後の7月7日、Rockstar Gamesは『RDO』に関する発表を公式ブログに掲載。本作を支えてきたプレイヤーへの感謝を述べるとともに、電報クエスト追加などの今後のアップデート内容を公開した。あわせて、今後はテーマ性のある大規模なコンテンツ追加は行わないことも発表。奇しくも「葬式」の開催を前に、本作のメジャーアップデート終了が宣言されたのだ。皮肉混じりのイベントとして企画された「葬式」が、突如として悲しい現実味を帯びてしまったのである。

そして迎えた7月13日、ゲーム内には黒い衣装を身につけたプレイヤーが集合。教会に集まったり、あるいはひとり墓の前で酒を飲んだりと、それぞれのやり方で終わりゆくゲームに哀悼を捧げた。これらの様子はハッシュタグ「#RedDeadFuneral」に投稿されており、多くのプレイヤーが「葬式」イベントに参加していたことが確認できる。この盛り上がりには、『レッド・デッド・リデンプション2』で主人公アーサー・モーガンのモーションアクターを務めたRoger Clark氏も反応。お悔やみの言葉を述べるとともに、「(『RDO』プレイヤーの)コミュニティは不滅だ」とツイートした。

なお前述のRockstar Gamesの告知は、あくまで大規模アップデートを終了するというもので、『RDO』は引き続きプレイ可能だ。クエスト報酬が増えるイベントの開催や、コスチュームの追加といった既存のコンテンツをベースにしたアップデートは続いている。

また根強いファンを中心に、今回の「葬式」イベントのようなコミュニティ主催のイベントも継続しておこなわれているようだ。新規の追加要素がなくとも遊び続けてしまうほどに、プレイヤーにとって魅力をもった作品であることは間違いない。ゲームの”一周忌”に集まったプレイヤーたちは、きっとこの悲しみを乗り越えていくことだろう。