Steam無料料理屋台シム『Bakso Simulator』が異様な高評価。よくわからないが、一部の人からしたらたまらない


デベロッパーのAkhir Pekan Studioは6月25日、Steam向けに『Bakso Simulator』を無料で早期アクセス配信開始した。料理の屋台を運営するゲームとなる本作は、ユーザーからの妙な愛情を受けているようだ。


Bakso(バクソまたはバソ)とはインドネシア料理である。牛肉などのすり身から作られた団子を指し、ビーフンや野菜などのさまざまな具材と合わせたスープにして食すのが一般的。インドネシア全土の屋台やレストランなどで日常的に食べられているほか、冷凍食品としても販売されている。

そして、『Bakso Simulator』は、Baksoの屋台を運営するゲームだ。しかし、プレイヤーは調理を担当するわけではない。Baksoを調理するのは当然、Bakso Manだ。彼を差し置いてBaksoを作ることなどできない。我々は黙々と調理しつづける男の背中を眺めることしかできないのである。


プレイヤーは、Bakso Manの調理したBaksoをたくさんの人々に届けるため、日々奮闘する。椅子や机、飲み物の手配はもちろん、屋台の食材を切らすなどもってのほかだ。幸い、主人公はモバイル端末を所持しているため、屋台の状況が逐一把握できる。切れそうな食材は、こまめに補充しなければならない。

書店でスキルブックを購入してBakso Manを強化することも可能。Bakso Manの労働時間を延ばす、歩くスピードを速めるといった、不穏な強化も用意されている。そうした努力のすえにBakso Manの腕前と店のサービスの良さが世に知れ渡れば、Bakso富豪となるのも夢ではない。なお、本作には屋台を神輿のように担いで持ち去ってしまう泥棒が存在する。注意しよう。


無料の早期アクセス配信タイトルにしてはなかなかのボリュームがあるものの、ゲームとしてのビジュアルはシンプルで、ゲームプレイにしても基本的にはBakso Manのパシリに終始する本作。Steamユーザーレビューは98%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している……ものの、多くのユーザーがプレイ時間1時間未満となっており、やや妙な愛され方をしている側面があるようだ。

誰が本作を好んでいるか。おそらくであるが、インドネシア人である。本作のSteamストアのレビューでは、やたらとインドネシア語の投稿が多い。何やら熱烈にミートボールについて語る内容や、本場のBaksoのレシピを掲載するユーザーもいるなど、カオスな様相だ。一部熱狂的なファンは、6~7時間をプレイし本作の魅力を語っている。ゲーム内容とはあまり関係ないものもあるが、Baksoへの愛は感じられる。何が本作を惹きつけるかは不明であるが、とにかくBaksoを題材にしている点が人気なようである。


『Bakso Simulator』はPC(Steam)向けに無料で早期アクセス配信中だ。Bakso Manを一目見たい人は、ぜひプレイしてみてほしい。