Aspyr Mediaは6月23日、『STAR WARS Knights of the Old Republic II(以下、KOTOR II)』の、海外でのみ販売されているNintendo Switch版について、チートを利用した不具合回避法を案内した。本作はリリース以降、特定の惑星でゲームが強制終了する不具合報告が相次いでいた。
『KOTOR II』は、Obsidian Entertainmentが開発し、LucasArtsが販売した三人称視点RPGだ。オリジナル版は2004年にXbox向けに発売され、後にPCやモバイル向けにも展開。前作『STAR WARS – Knights of the Old Republic』と合わせて評価も高く、海外を中心に傑作RPGシリーズとして知られている。
今年6月8日には、海外Nintendo Switch向けに『KOTOR II』のリマスター移植版がリリース。しかしユーザーたちからは、ロケーションのひとつである「Onderon(オンダロン)」に訪れるとクラッシュが発生するとの報告が続出していた。6月20日には、業を煮やしたファンがSNS上で、本作について「現在クリアする方法がないのは把握しているか」と移植元のAspyrを詰問。Aspyr側が「把握している」とあっさり認めてしまう一幕もあった(関連記事)。
なお、こうした事態を受けてAspyr側も修正パッチを開発中であり、次回アップデートにて配信予定としていた。また、Aspyr側は米IGNに向けたコメントにて「一部のプレイヤーにのみ発生する不具合」と説明している。
そして6月23日、修正パッチ配信を待たずして、Aspyrから緊急の対応策が示された。「チートを使え」というのである。Aspyrによれば、今回の不具合はオンダロンにて発生するカットシーンが原因とのこと。そこで、『KOTOR II』に組み込まれているチートメニューからワープチートを使って、オンダロン内部のマップに直接移動。原因であるカットシーンをすっ飛ばしてしまえば、クラッシュすることなくオンダロンに上陸できるだろうという寸法だ。いささか強引な解決策である。
また、本作のチートはもともと作品に組み込まれており、簡単な操作で利用できる点も、こうした対策を可能にした一因だろう。念のため補足すると、ここでいうチートはオンラインゲームにおける不正などとはやや異なる。かつての一人プレイ用ゲーム作品では、開発側がチートをゲームに仕込むこともしばしばだった。そうしたチートは隠しコマンドやキーワード入力で発動する、いわゆる「裏技」的な存在だ。『KOTOR II』に実装されているのも、そうした裏技的なチートメニューというわけだ。Aspyr側はチートを使っての詳細な不具合回避方法を伝えている。
Aspyrは現在、Nintendo Switch版『KOTOR II』不具合修正パッチを開発中。チートを使わずとも作品が楽しめるよう、早めの対応が望まれるところだ。また、前作のNintendo Switch向けリマスター版は日本国内展開もしており、『KOTOR II』リマスター版の国内展開にも期待がかかる。とはいえ、今は同作の国内展開どころではなさそうだ。