Behaviour Interactiveは6月23日、『Dead by Daylight』の6周年記念配信で告知していた育成システムのリワークと、パークの大型バランス調整の詳細について発表した。今回の調整では単なるパークの調整だけに留まらず、サバイバーやキラーの基本性能にも調整も含まれており、大きくゲームバランスが変わる内容となっているようだ。これらの調整は次回チャプター間アップデートにて実装予定であることも告知された。
アップデートが予定されている内容は、プレステージやシュライン・オブ・シークレットの改修による育成要素の調整。マッチメイキングに際して、不足している役割に対するボーナスの追加。そしてゲームの基本部分に関するバランス調整と、パークの大幅なバランス調整だ。
基本仕様の変更
育成要素の調整については、パーク収集にかかる時間の短縮を目的とした内容となっている。従来ではプレステージレベルを上げることは育成において必須ではなかったが、新しい仕様ではプレステージレベルを上げることで自動的に固有パークが全キャラで使用できるようになる。さらにはパーク、アイテム、アドオン、オファリングといったこれまで取得してきたものが失われなくなり、育成しながら自然とプレステージをおこなえる仕様となった。また、これまで通りプレステージを進めることで血塗れスキンを獲得できるだけでなく、各キャラクターの固有パークの魔よけも追加される。マッチ終了後のリザルト画面では、プレステージレベルも表示されるように変更される。
マッチメイキングボーナスは、不足している役割をプレイするとBPがボーナスされるというもの。ボーナスされる量は不足している役割の比率によって変動し、最小で25%から、最大で100%まで増える仕様となっている。生存者が不足している際には、条件つきではあるものの、パーティでプレイしてもボーナスを受け取れるようになっている。パーティを組んでいる生存者の平均レーティングにおいて、生存者側が不足している場合のみボーナスが発生する仕様とのこと。なお、マッチメイキングボーナスはクロスプレイをOFFにしていると無効化される。
ゲームの基本部分のバランス調整については、多岐にわたる。たとえば、発電機の修理完了までにかかる時間が80秒から90秒に変更される。殺人鬼が発電機を破壊すると、即座に進行度が2.5%失われる仕様が追加される。効果量はかなり控えめではあるものの、採用率の高いパークである「イタチが飛び出した」と同様の効果を殺人鬼は獲得したことになる。くわえて殺人鬼側は発電機、パレット、壁といったオブジェクトを破壊する時間が10%短縮されている。さらに殺人鬼の通常攻撃が命中した際に発生するクールタイムが10%減少し、被弾した生存者の移動速度上昇効果は従来よりも10%短縮される。血の渇望が貯まるまでの速度も変更され、レベル2以降に上がるまでの時間が短縮されるといった調整も入る。
生存者についてはフックから救助された際に5秒間、我慢のステータス効果を得られるようになる。これは採用率の高いパークである「与えられた猶予」よりも短い秒数ではあるものの、大きな変更点となる。さらに救助された生存者には5秒間、7%の迅速ステータス効果も付与される。どちらのステータス効果も、特定のアクティブな行動を取ることで無効化されてしまうものの、パークに関わらず生存者が基本性能として得ることができるようになったのは大きな変更点だろう。
これらの変更はパークの大幅な調整を前提におこなわれているとのこと。また、パークの調整が入るタイミングでパークを獲得しやすくするために、育成要素の調整を同時にリリースしなければならなかったと説明している。パークの調整については、生存者、殺人鬼ともに採用率の高いパークを具体的に提示した上で、39個ものパークに調整が入る予定となっている。特に一部のパークについては、強パークという表現が用いられ、採用率の高い理由や調整内容の意図について詳細な説明がされている。
強パークの大幅テコ入れ
殺人鬼の強パークでは、「バーベキュー&チリ」は生存者のオーラを可視化する効果はそのままに、効果そのものからBP増加効果が削除される。強力なパークであることに加えて育成もしやすくなる点について調整が入る形となった。「呪術:破滅」は発電機の自動後退速度が最大で100%減少し、いずれかの生存者が死亡した時点で効果が無効化されるようになる。効果量が半減するだけでなく、マッチの中盤以降では恩恵を受け取れなくなってしまう変更となっている。
「イタチが飛び出した」は減少する修理進行度の量が最大で全体の25%から、現在の修理進行度の20%に変更される。これは殺人鬼が基本能力として、発電機の破壊で進行度の後退効果をもった代償といえるだろう。「堕落の介入」は効果そのものは据え置きのまま、いずれかの生存者が瀕死になると効果が終了する条件が追加される。強力な効果については変更せず、開始から一方的なマッチになりすぎないように配慮された変更といえる。「ガラクタいじり」の発電機1台につき1回のみ発動するように変更され、以前ほど頻繁に利用することはできなくなった。
「呪術:誰も死から逃れられない」には、発動後に対象となる呪いのトーテムから4m以内にいる生存者に、呪いのトーテムのオーラが見える効果が追加される。この効果は時間経過によってオーラの見える範囲が最大で24mまで拡大する仕様となっており、生存者側が最後まで諦めずにプレイできるような調整がされている。「悶絶のフック:共鳴する苦痛」は発電機が爆発する効果がスパークする効果へと変更され、修理していた生存者が叫び声をあげる効果が削除される。発電機への妨害効果が以前よりも緩和された形となった。
殺人鬼の強パークと称されたものについては、全体的に下方修正された形となる。しかし「バーベキュー&チリ」のように効果量そのものは据え置きになっているパークもあり、今後も継続して採用されるパークもあるといえる。ここで触れなかったパーク以外にも、「オーバーチャージ」「イラプション」「ノックアウト」「ピエロ恐怖症」「闇の信仰心」「景気づけ」「死を呼ぶ追跡者」「悶絶のフック:苦痛という名の賜り物」「死恐怖症」「異形の祭壇」といったパークへの調整が予告されている。
生存者の強パークでは、「デッド・ハード」が前方へダッシュする効果から、1秒間我慢ステータスを得る効果へと大きく仕様が変更される。攻撃を避けるだけでなく、距離を稼ぐためにも使われていたパークの用途が、従来より限定される調整となっている。「決死の一撃」は効果発動時に殺人鬼を怯ませる時間が3秒に減少。さらに脱出ゲートが通電した時点でパークが無効化されるように変更された。効果量だけでなく、これまで以上に使用できる機会が限られる調整となった。
「与えられた猶予」は、救助された生存者が基本能力として我慢ステータスを得たことによって、我慢ステータスの効果時間を最大で10秒延長するという内容に一新。同時に救助された際に付与される迅速ステータスも最大で10秒延長される。生存者そのものが調整されたことによって、基本能力を強化するパークとして生まれ変わった。
「鋼の意思」はうめき声の減少効果が最大で75%までに変更。さらに疲労状態のときには効果が発動しない仕様が追加される。従来のような隠密性が期待できなくなったといえるだろう。「セルフケア」は自己治療できる速度が最大で35%に減少。回復アイテムの使用効率が上昇する効果も削除され、純粋に効果が引き下げられる形となっている。「凍りつく背筋」は殺人鬼から直接見える位置にいるときに限って発動する仕様に変更。かわりに一度発動すると0.5秒間効果が維持されるようになる。また、速度上昇効果がトーテムの祝福に適用されるように変更され、乗り越え速度上昇効果が削除される。壁越しの索敵として使えなくなり、あわせて細やかな仕様変更が行われている。
生存者の強パークの称されたものについても、全体的に下方修正される形となっている。殺人鬼のパークと比較して、従来の使い方ができなくなった変更が目立つ印象だ。それ以外には、「魂の平穏」「サボタージュ」「植物学の知識」「オフレコ」「怪我の功名」「調剤学」「唯一の生存者」「ディストーション」「身軽」「デジャヴ」「誰も見捨てはしない」「闇の感覚」「執念」「希望」「過剰な熱意」「ずっと一緒だ」といった数多くのパークへの調整が予告されている。
発売から6周年を迎え、過去最高の活況を迎えている本作。今まで以上にプレイヤーの要望に応えるべく、根本的な部分へと手を加えた形となる今回のアップデート。その全文はこちらの開発チームアップデートからチェックすることができる。今回のバランス変更では、多岐にわたって調整が入る予定となっており、ゲームバランスが大きく変わることが予想される。なお、今回紹介した変更内容は開発中のものであり、PTB前後および本実装前後で変更される可能性があるという点について留意して欲しい。
これらの調整は次回のチャプター間アップデートにて実装予定。Steam版では、来週開放予定のパブリックテストビルド(PTB)でテストプレイすることができる。