Activisionが展開しているスケボーゲーム『トニー・ホーク プロ・スケーター』シリーズについて、2020年に発売された『トニー・ホーク プロ・スケーター 1+2』の続編が計画されていたものの、開発中止となったようだ。同シリーズにブランドを提供しているプロスケーターのTony Hawk氏自身が明らかにしており、海外メディアVGCなどが報じている。
『トニー・ホーク プロ・スケーター 1+2』は、1999年に発売された『Tony Hawk’s Pro Skater』と、その翌年発売の『Tony Hawk’s Pro Skater 2』のコンテンツをセットにしてフルリメイクしたスケボーゲームだ。同シリーズの原点であり、いまも根強い人気を誇るステージなどを、最新のグラフィックと現代的なゲームシステムにて楽しめる。
同作は2020年の発売後に高い評価を獲得し、発売から2週間で売り上げ100万本を突破するなど成功を収めた。これを受けてファンからは、さらなるリメイクを期待する声が上がることに。実況配信者のandyTHPSのインタビューを受けたTony Hawk氏によると、シリーズの続く3・4作目をリメイクする計画が、実際に水面下で進められていたのだという。
シリーズ3作目の『Tony Hawk’s Pro Skater 3』は2001年に発売。新たにリバートトリックが導入され、エアトリックからマニュアルへとコンボを繋げることが可能になり、ゲームプレイの幅が大きく広がった。続く『Tony Hawk’s Pro Skater 4』は2002年にリリース。日本では『Tony Hawk’s Pro Skater 2003』としてカプコンから発売された。各ステージはよりオープンな環境となり、制限時間は撤廃された。3作目はそれまでの集大成に、そして4作目には以降のシリーズ作品の礎となる革新がもたらされ、どちらもファンの人気が高い作品である。
Tony Hawk氏によると、いわゆる『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』の開発は、『トニー・ホーク プロ・スケーター 1+2』が発売される段階まで検討されていたという。ただ、同作の開発を担当したVicarious Visionsが、同じグループ内のBlizzard Entertainmentに吸収合併されることになり(関連記事)、計画が頓挫したそうだ。ちなみに同スタジオはその後、『ディアブロ II リザレクテッド』の開発に参加している。
Activisionは、ほかに開発を担えるスタジオを探したが、Vicarious Visionsの代わりを務められるスタジオを見つけることはできなかった。そこで『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』ではなく、シリーズのIPを使った別のタイトルを模索することに。ただ、いくつかのスタジオから提案を受けたものの、Activisionがゴーサインを出せる企画はなく、新作の話はすべて流れてしまったそうだ。
Vicarious Visionsは『トニー・ホーク プロ・スケーター 1+2』だけでなく、近年では『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』の開発でも高い評価を受けた。同スタジオがBlizzardに吸収されることが明らかになった際には、両シリーズのファンから今後の新作について悲観する声が聞かれたが、少なくとも『トニー・ホーク』シリーズについては、まさに新作リリースが途絶えることとなってしまった。
シリーズの今後については、Tony Hawk氏自身ですら分からないとのこと。そもそも、オリジナル版から20年経って『トニー・ホーク プロ・スケーター 1+2』を手がけることも予想していなかったとし、今後何か動きがあればその時に考えるだろうとした。