Aspyr Mediaは6月20日、同社が移植を手がけた『STAR WARS Knights of the Old Republic II(以下、KOTOR II)』海外でのみ販売されているNintendo Switch版について、現在ゲームクリア不可能であることを認めた。現在問題の解決をはかるパッチを開発中とのこと。
『KOTOR II』は、Obsidian Entertainmentが開発し、LucasArtsが販売した三人称視点RPGだ。オリジナル版は2004年にXbox向けに発売され、後にPCやモバイル向けにも展開された。BioWareも携わり開発された前作『STAR WARS – Knights of the Old Republic(KOTOR)』と合わせてユーザー評価は高い。海外を中心に傑作RPGシリーズとして認知されている作品なのだ。昨年にはAspyrが海外Nintendo Switch向けに『KOTOR』をリマスター移植し、今年には日本国内向けにも配信開始した。同社開発による『KOTOR』リメイク版の開発も発表されており、シリーズファンの熱は近年高まりつつある。
そして今年6月8日には、海外Nintendo Switch向けにリマスター移植版『KOTOR II』がリリース。期待高まるファンたちが、往年の傑作をこぞってプレイし始めた。しかし、この移植版には問題があった。特定の場所で、高確率でゲームがクラッシュするというのだ。具体的には、ロケーションのひとつである「Onderon(オンダロン)」に訪れるとクラッシュが頻発するという。ロケーション名でTwitterを検索してみると、「オンダロンでゲームがクラッシュし続ける」との報告が多数なされている状況だ。
やがて業を煮やしたユーザーのひとりが、移植元であるAspyrにTwitter上で問い合わせた。「現状ではゲームがどうしてもクリア不可能なのに気づいているか?」と問い詰める内容だ。するとAspyr側は「気づいている」と回答。『KOTOR II』は現在クリア不可能であるとあっさり認めたのだ。なお、開発チームは現在この不具合の修正に取り組んでおり、次回パッチにて修正される予定だという。
実際に全ユーザーに不具合が発生しているかは不明であり、発売直後のゲームに深刻な不具合が発生するケースも珍しくない。しかし、移植元が「このゲームはクリアできない」と素直に認めるのは稀に見る対応だ。Aspyrにはユーザーたちから「未完成のゲームを売るな」というもっともな批判が寄せられている。
Aspyrは現在PlayStation 5とPC向けに、次世代機水準で『KOTOR』を蘇らせるリメイクも開発中だ。傑作復刻の担い手として、『KOTOR』シリーズファンからの期待を寄せられる対象でもある。今回の一件で、その期待にやや不安が入り混じったファンも少なくないだろう。修正パッチ配信時期は明かされていないものの、早急に対応されることを祈る。また、前作が国内展開されていることもあり、『KOTOR II』リマスター版の国内展開にも期待がかかる。もしリリースされるとしたら、クリアできる状態で上陸してほしいところである。