超常現象オムニバス『SCP:極秘ファイル』Steamにて体験版配信。古い水力発電所で起こった、ある収容違反の顛末

GameZoo Studioは6月13日、『SCP:極秘ファイル(SCP: Secret Files)』の体験版をSteamにて配信開始した。日本語字幕にも対応している。『SCP:極秘ファイル』は、SCP財団の研究員として、さまざまな怪現象を体験するゲームである。

中国のインディーゲームスタジオGameZoo Studioは6月13日、『SCP:極秘ファイル(SCP: Secret Files)』の体験版をSteamにて配信開始した。体験版には、約40分ほどのゲームプレイが収録。日本語字幕にも対応している。

『SCP:極秘ファイル』は、SCP財団の研究員として、さまざまな怪現象を体験するゲームである。本作の舞台は、超常現象を引き起こす物品や怪異などが実在する世界。SCP財団は、そうした常軌を逸した現象や存在を秘密裏に確保し、収容し、保護することで人類の安寧を維持してきた団体だ。本作の主人公であるカールは、SCP財団の新人研究員である。ある日カールは、SCP財団の極秘プロファイルの整理を進めていた。しかしプロファイルを読んでいるうちに、異常事態が発生。世界に対する認知が歪み、精神的にも深刻な影響を受けてしまう。本作では、さまざまなSCP(異常存在、およびその収容プロトコル)に纏わるストーリーが展開されていく。


今回配信された体験版では、SCP財団のエージェント・ベラの視点から、あるオブジェクトの確保収容の破れ、すなわち「収容違反」の顛末が描かれる。体験版の舞台は、廃棄された古い水力発電所を利用した収容施設、Site-74「ポニーステーション」だ。Site-74では長年の間、オブジェクトクラスSafeに分類される、比較的安全なアノマリーが収容されていた。しかしSite-74では、最近になって危険度の高いEuclidクラスに指定されるSCP-701の収容を継承。SCP-701に関する実験の遂行中に、外部から連絡が取れなくなってしまった。すなわちSite-74では、SCP-701に関連する収容違反が発生した可能性がある。ベラはブラックボックスの回収のため、Site-74へ侵入。ベラとプレイヤーは、暗闇と静寂に覆われたSite-74を探索し、実験の真実を目の当たりにする。


Steamストアページの説明文を見る限りでは、本作では一人称視点を中心としたさまざまなスタイルで、SCPにまつわるストーリーが描かれていく。SCP自体の作風が多様であるように、本作でも暖かく明るい童話や、奇妙なドット絵世界に落ちる物語など、幅広いテイストの物語が展開。体験版で描かれるSite-74とSCP-701に関するストーリーも、本作に“収容”されたストーリーの一つというわけだ。体験版においては、謎の敵に追われるシーンがあるものの、基本的には探索とちょっとした謎解きをしつつ、Site-74内を進んでいく。Site-74内ではSCP-701と直接関係のない怪現象も発生しており、SCP財団にまつわるストーリーや世界観が、ゲームとして描かれている。ストアページには、ウォーキングシミュレーターをベースにしているとの記述もあり、アクションやパズルよりも、雰囲気やストーリーを重視した体験が待ち受けていそうだ。


本作を開発しているのは、中国の北京に拠点がある独立系スタジオGameZoo Studioだ。ゲーム中の説明によれば、同スタジオのメンバーは6人。アニメーション/教育/映画/モバイルゲーム業界など、さまざまな経歴を持つメンバーで構成されており、革新的な方法で物語を伝えることを目的に活動しているという。また本作の根幹となるSCP財団は、共通の設定を用いてインターネット上で創作・公開されてきた、架空の団体および世界観だ。SCP財団のホームページ上には、コミュニティのメンバーによって創作されたオブジェクトや物語(Tales)が、報告書形式で多数掲載。体験版に登場するSCP-701も、そうして生み出された創作物の一つである。

『SCP:極秘ファイル』は、2022年にPC(Steam)向けに配信予定。Steamストアページでは、体験版が配信中だ。




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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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