『エルデンリング』にて、とあるボスのカットシーン演出がひっそりと変更されたようだ。意図的か不具合かは不明なものの、明確な演出の変化に、海外ユーザーたちが注目し、考察を進めている。また、『エルデンリング』にはほかにもひっそりと隠れたアップデート変更点があったようだ。本稿には、本作のボスや設定にまつわるネタバレが含まれるため、ご留意されたい。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。本作は今年2月25日の発売以降、複数回にわたりアップデートを配信している。各アップデートでは、不具合修正やバランス調整のほか、NPCクエストの追加なども実施。パッチ配信のたびに、本作ファンたちがその内容に注目を集めている。また、ファンたちの間で話題になるのは、パッチノートに明示された大きな変更ばかりではない。ゲーム内地図の修正など、アップデート前後でのこまかな変更もなされており、こちらも本作のファンたちの興味を引いているのだ(関連記事)。
そして6月12日、とある変更点が海外掲示板Redditユーザーにより指摘された。それは、ボスである「忌み王、モーゴット」のカットシーン演出の変化である。RedditユーザーのRazhork氏は、パッチ1.02とパッチ1.04それぞれにおけるモーゴットの登場カットシーン動画を比較。その変化を紹介している。具体的には、モーゴットの杖から刀身があらわになる際の赤熱するエフェクトが、パッチ1.04では消えているのだ。
この理由について、Redditユーザーたちはさまざまな意見を交わし合っている。まず「本作の設定に合わせるために、演出が変更された」とする意見がある。その根拠としては、モーゴットは黄金律の信奉者であり、すなわち炎を禁忌と見ているであろう点が挙げられている。また、該当のシーンでモーゴットは「野心の火に焼かれた、略奪者よ」と、褪せる人に対して憎々しげに言い放っている。この発言をしつつ自身の剣が赤熱していては、多少の違和感はあるだろう。
一方で、「この演出変更は不具合に過ぎない」とする意見もある。演出を設定した時点でキャラクター設定は把握されているはずであり、何らかの不具合で赤熱エフェクトだけが発生しなくなってしまった、との意見だ。また、モーゴットは戦闘後半になると、血炎らしき属性の攻撃を利用する。そして彼の追憶から作成できる武器「モーゴットの呪剣」の戦技は「呪血の斬撃」。斬撃のあとに、炎属性の爆発を伴う攻撃である。こうした点から、モーゴットの杖が赤熱してその刀身をあらわす演出自体には、矛盾はないとも考えられる。真相は開発陣のみが知るところ。それでも、ファンたちは些細ながらはっきりとしたこの変化について、熱心に頭を悩ませているわけだ。筆者もそのひとりである。
『エルデンリング』では、もっと目立たない、しかし興味深いアップデート変更点がいくつも発見されている。YouTuberのillusory wall氏が、そうした変更点を取りまとめた動画を公開している。たとえば、ボスであるモーグとの戦闘エリア前にある石製オブジェの位置微調整だ。モーグが待ち構える霧の手前には墓石のようなオブジェクト群があり、そこから本来到達できない外縁へとジャンプ。ボスエリアに不正に侵入できてしまった。
不正にボスエリアに侵入すると、モーグは何もせず棒立ちになってしまう。一方的にボスを倒せる状況になる不具合だったわけだ。そこで、外縁への足場となっていたオブジェは、少しだけ位置をずらされてしまったようだ。登ってジャンプしても外縁には乗れないよう、壁から遠ざけられたわけだ。
ほかにもillusory wall氏の動画では、「『ダークソウル』シリーズ由来とみられるモデルの木製の宝箱が、『エルデンリング』の宝箱に差し替えられた」「霊気流がもたらす安全着地範囲が、大幅に広がった」「英雄墓のチャリオットのダメージが半分になった」など、さまざまな変化が紹介されている。理由がよくわからないものから、遊びやすさを向上させるこまかな気配りまで、こっそりといろいろな点が変更されているわけだ。
なお、『エルデンリング』では本日6月13日15時よりメンテナンスが実施されており、最新パッチ1.05が配信予定。メンテナンス終了は18時頃になる見込みだ。同アップデートでも、パッチノートには明示されていない変更が盛り込まれていることだろう。配信後は、モーゴットの杖が赤熱しているかどうかを確かめたい。
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