『Battlefield 2042』は「今や開発者ほぼ居ない放棄船タイム」とのジャーナリスト発言にEAが反論。開発者はちゃんといる


海外ジャーナリストが、『Battlefield 2042』の開発チーム規模が「ギリギリ最小限まで縮小された」と発言。同発言は波紋を呼び、開発元EA/DICEがすぐに反論している。かたや開発チームは最小限、かたや開発チームは十分との、ふたつの主張が食い違う状況だ。

『Battlefield 2042』は、マルチプレイFPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの最新作。本作は昨年11月19日のリリース後、不具合やパフォーマンス問題が続出。Steamではプレイヤー人口およびユーザーレビュー評価の低迷が続き、開発元はアップデートでの状況改善に取り組んでいた。本作は6月7日に、大量の修正や改善を盛り込んだ「アップデート#1.0」を配信。続く6月9日には、延期していたシーズン1をついに開幕した。本作は今まさに起死回生を図っている真っ最中なのだ。


しかし、シーズン1開幕日の6月9日にジャーナリストであるJeff Grubb氏が「開発元EA/DICEは『Battlefield 2042』の開発チームを大幅縮小した」との旨を発言。海外メディアVGCに取り上げられるなど、波紋を呼んだ。Grubb氏は、今月まで海外メディアVentureBeatに所属していたほか、現在はGiant Bombに在籍。同サイトで自身の映像番組も運営している。同氏はさまざまなゲームの内部開発事情を伝えてきた人物であり(ただし真偽については不明)、暴露めいたトークでも知られている。今回は、Giant Bombにおける自身の番組「GrubbSnax」にて、『Battlefield 2042』開発チームの現況を語った。

※ 一連の発言は動画14分18秒頃から

Grubb氏はまず、『Battlefield 2042』の開発チームについて、最小限のメンバー(Skeleton Crew)まで縮小されたとコメント。最小限にされたチームは、本作の高価なエディションなどに含まれるコンテンツ、すなわち開発をすると約束している追加コンテンツを「とにかく早く、安く出す」ためだけに従事していると語っている。

また、そのため今後追加されるコンテンツの品質は低くなるだろうとも言及。そうした方針が取られたのは、次の『Battlefield』作品にリソースを割くためであるとしている。Grubb氏は、こうした状況について「Abandoned Ship Time(放棄船タイム)」と表現している。『Battlefield 2042』を沈む船に例え、「乗員はすでにほとんど退避しており、船に残るのは後始末を任されたメンバーのみ」と比喩したようだ。ただ同氏は、「EAが次回作に注力したいのは理解できるし、そちらを望むファンも多いだろう」とも語っている。

一方で、『Battlefield 2042』再出発を試みる大事なタイミングにケチをつけられたEA/DICEも素早く反応。同日中にGrubb氏に向けて反論のメッセージを送った。EA/DICEはまず、Grubb氏の語った開発状況について「事実と異なる」と否定。『Battlefield 2042』を改善し、進化させていく上で十分以上なスタッフが、DICEを中心とした多くのスタジオから集結していると反論した。また同社はプレイヤーからのフィードバックに基づき、『Battlefield 2042』の未来に全力を傾けていくとコメント。その取り組みは5月公開の開発チームアップデートにて紹介したとコメントしている。

『Battlefield 2042』の開発体制が十全か否か、EAとGrubb氏の主張は食い違っている。実際の状況を知るのは、EA内部スタッフのみ。Grubb氏がそうしたインサイダーからの発言をソースとしている可能性もあるものの、客観的にどちらの主張が事実かを判断することは現時点では不可能だ。しかしながら、開発チームが十分な体制か否かは、『Battlefield 2042』の今後の改善具合からもある程度推し量れるだろう。プレイヤーたちが望む『Battlefield 2042』を実現するために、十分なマンパワーが割り当てられていることを祈る。