『エルデンリング』の「メリナ」を倒してしまう褪せ人現る。メリナ、無理やり一時的に倒される


エルデンリング』にて、主人公の旅を要所で助けてくれるキャラ「メリナ」を倒してしまうプレイヤーが現れたようだ。本来であれば攻撃できないはずのメリナは、なんとか工夫すれば倒せるようなのである。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。本作でプレイヤーは褪せ人と呼ばれる存在として、王となることを目指し、広大な狭間の地を旅する。そしてメリナは、褪せ人の旅をサポートする重要キャラのひとりだ。プレイヤーのお供である指巫女として、レベルアップ機能や移動手段などを提供してくれる。また、プレイヤーの旅を導いてもくれる。ただ、作中では、冒頭を除いてメリナと出会えるタイミングは限られている。その限られた機会のひとつが、祝福での会話だ。

メリナは特定の祝福にて休憩する際にふらりと現れ、ちょっとした会話や女王マリカの言霊を届けてくれる。本作の世界についての重要なヒントを教えてくれる場合もあり、休憩の際のよき相手となってくれるのだ。基本は祝福にて登場する。プレイヤーも休憩中とあって、ほかのNPCのように攻撃して倒すようなことはできないはずだった。しかし最近、休憩しつつもメリナを攻撃できてしまうグリッチ(不具合)が発見されたようなのだ。


この不具合を早い段階で見つけたのは、国内YouTuberのトマトちゃん氏。『エルデンリング』関連の動画コンテンツを多数投稿しているプレイヤーだ。小技や噂などを紹介し、検証つきで掘り下げており人気を博している。同氏は6月5日に「メリナに攻撃する方法を紹介する」と題した動画を投稿。同動画では、祝福で休憩中にもかかわらずダメージを受けるメリナの姿が収められている。

手法としては、魔術「夜巫女の霧」を利用して、メリナを”罠”にかけるようなかたちだ。この魔術は、敵やNPCにダメージを与える霧を、一定時間空中に残留させる。ダメージ霧をメリナが出現する辺りに撒いておき、祝福で休憩すれば、メリナをまんまと霧の中に誘い込めるわけだ。ただし霧の罠を張っても、普通にメリナ呼び出しただけではダメージを与えられない様子。何かもうひと工夫必要なようだ。とはいえ、同氏は検証の結果、「メリナがマリカの言霊を語っている最中だけダメージを受ける」との条件を見出している。

さらに同氏は6月9日、この不具合を利用してメリナを倒してしまう手法を動画で紹介している。こちらではさらに「夜巫女の霧」を利用していた手法を進化させ、キャラに接近するだけで状態異常を与えられるようになるグリッチを利用している。これにより、“罠”はさらに致死的に。夜巫女の霧では今一つ減っていなかったメリナの体力が、状態異常によってどんどん削られていく。健気にマリカの言霊を伝えるメリナはまたたく間に体力を失い、力尽きてしまった。残ったのは、小さな黄金樹。非常に痛ましい光景である。

ただし、メリナはその程度ではくじけないようだ。祝福でふたたび休むと、メリナは何事もなかったかのように復活。「マリカの言霊を聞くか」と褪せ人に語りかけている。フロム・ソフトウェアが、こうした事態を想定していたかはわからない。しかし、処理上は褪せ人の蛮行はなかったことにされるようだ。メリナは特定のボス戦においては召喚することが可能。その際にはHPがなくなると倒れるが、とはいえ、通常では干渉できないキャラが倒れること自体が興味深い現象である。

一連の動画は数万回視聴されているほか、Twitter上では同様にメリナを倒したユーザーの投稿が注目を集めている。こちらはトマトちゃん氏の動画をヒントとして、独自に試行錯誤の結果としてメリナ打倒にたどり着いたようだ。

なぜ、褪せ人たちがメリナを倒そうとするのか。それはわからない。しかし、メリナはネットミームとも化しており、彼女の語尾に「メリ」をつけるだけのMod「Melina no gobini Melii wo tukeru MOD」が注目を集めた一幕もあった。重要キャラとしては出番が控えめな点などを含む、物語上において立ち位置がややシュールな点が、ネットミーム化の要因となっていそうだ。

いずれにせよ、休憩中にメリナに危害を与えられるのは、本来想定されていない挙動だろう。同グリッチを試す際は不具合の可能性にも留意してほしい。また、メリナはプレイヤーに霊馬トレントを与え、王となる道のりでも鍵となる存在。そうした恩義もたまには思い出し、できればメリナに優しくしてあげてほしい。



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