ケイブ、『モンスターストライク』開発元でらゲーを約50億円で買収へ。人員確保狙い、8回分割払いで

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株式会社ケイブは6月3日、株式会社でらゲーを買収することを明らかにした(発表PDF)。約50億2300万円でケイブがでらゲーの全株式を取得予定。この買収が完了すれば、『モンスターストライク』開発で知られるでらゲーが、STG開発の老舗であるケイブの連結子会社となる。

株式会社ケイブは、1994年に設立された国内のゲーム開発会社だ。同社は、これまでに『怒首領蜂』シリーズや『虫姫さま』『デススマイルズ』など、多数のシューティングゲーム作品をリリース。STG開発元としては代表的な会社だ。また同社は現在「東方Project」公認二次創作タイトルを開発中である。そして買収が進められている株式会社でらゲーは、ヒット作『モンスターストライク』の開発を手がけ、スマートフォンゲームの開発運営において実績のある会社である。

『デススマイルズI・II』

ケイブの発表資料によれば、今回の買収は今年8月開催予定のケイブ定時株主総会にて付議される予定。決議すれば、9月1日をもってでらゲーの全株式がケイブに譲渡され、連結子会社化がなされる見込みだ。

今回の買収についてケイブは、人材の確保が主眼にあるとしている。ケイブでは今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、「東方Project」公認二次創作タイトルなどの開発人員確保が難しい状況にあったとのこと。また、子会社であるFIVESTAR BANK株式会社も厳しい状態にあったそうだ。そこで、でらゲーのもつコンテンツおよび人材を傘下とし、業績回復に活かしていく方針としている。また、でらゲー側についても、人材流出の防止が見込めるとしている。上場企業であるケイブの傘下に入り、でらゲーの社員等に向けたストック・オプションの付与を実施することで、人材流出を防いでいく方針だ。


気になるのは、どちらの企業にもゲームクリエイターである岡本吉起氏が深く関わっている点である。岡本氏は、元カプコンで『ストリートファイター』シリーズに携わり、『モンスターストライク』の開発にも携わった。同氏は現在ケイブで取締役を務める一方で、でらゲーにも在籍している。そして資料によれば、でらゲーの株式をケイブに譲渡する3名の株主のうち、2名が岡本氏の親族とのこと。同氏の親族がでらゲーの議決権過半数を所有しているそうだ。また、ケイブは、自社が株式譲渡先として選ばれた理由について言及。でらゲーの幹部社員のなかには岡本氏をよく知る人物もおり、人的信頼関係への期待もあるとの見解を述べている。

今回の買収のきっかけとしては、ケイブの近年の苦境もある。ケイブは2017年5月期から2021年5月期まで5期連続の営業赤字を計上するなど、業績が悪化していた。また、複数タイトルをリリースするも、ユーザーが定着せず早期にサービスを終了。STGアプリ『ゴシックは魔法乙女』を収益の軸としつつも、さらなるヒットタイトルの創出が難しい状況にあった。

そして、同社グループの2022年5月期第3四半期における現預金残高は約10億7000万円。でらゲーを買収するにあたって、約50億円の代金には足りない。こちらについては金融機関からの借入と、既存株主への分割払いを想定しているとのこと。まず10億円を一時払いとして支払い、全8回にわたる分割払いにより返済していく方針だ。一連の状況を鑑みるに、岡本氏が今回の買収の原動力となったとの見方ができる。今回の買収は、両社のゲームタイトルにどのような影響を及ぼしていくだろうか。



※ The English version of this article is available here

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