『Apex Legends』CARが弱体化される可能性はあるのか、開発者が言及。バランス調節方針や設計意図を解説
『Apex Legends』シーズン13「救世主」では、SMG武器であるC.A.R.SMG(以下、CAR)の強さが注目されつつある。そうした状況のなかで、海外掲示板Redditにて開発者がCARの設計意図を解説している。
CARは、『Apex Legends』シーズン11「エスケープ」より登場したSMG系の武器である。この武器の最大の特徴は、ライトアモとヘビーアモを切り替えて使用できるという点だ。部隊の弾薬事情に応じて、臨機応変に対応することができる非常に便利な機能となる。あわせて、比較的精度の高い腰撃ちや、高い発射レートによる高火力もこの武器の強みとなっている。一方で、強い反動や特徴的なリコイルパターンによって、ADS(サイト覗き込み)で中距離以遠を狙う場合にはやや制御が難しい武器といえる。
制御の難しさからか、登場後しばらくのあいだは、この武器を愛用するプレイヤーはそれほど多いとはいえなかった。しかし、じわじわとその強さは認識されていき、最近ではメイン武器として使うプレイヤーも増えているようだ。シーズン12でボルトSMGが、シーズン13でマスティフショットガンがケアパッケージ入りして、常用できる近距離武器の選択肢が狭まったことも関係しているのだろう。そうした状況のなかで、海外掲示板Reddit上にCARについて議論するスレッドが開設。議論の白熱する同スレッドには、本作のライブバランスデザイナーを務めるJayBiebsことJohn Larson氏も投稿をおこなった。同氏は投稿の中で、CARの設計意図を詳しく説明している。
Larson氏によると、CARが強力な武器として認識されていることは、実は開発側の想定通りなのだという。武器やレジェンドなどの新しい要素は、既存の環境を搔き乱すことを期待して追加される。そのため新要素はいつでも、今までプレイヤーが好んでいたものを手放して使ってみたくなるような、強力で魅力的な要素として開発されているそうだ。同氏いわく、新要素は弱いものを追加して後から強化するよりも、強いものを追加して弱体化していきたいとのこと。
CARの実装が近づいたころ、Larson氏は弾薬の多様性・強力な腰撃ち・DPSによって、この武器が凶悪な性能になると考えていたそうだ。マガジンの装填数を減らす、リロード時間を延ばすといった下方調整も検討されたという。しかしながら、強力な武器としてリリースしなければ、プレイヤーから見向きもされないかもしれない。そのため、結果的にCARを下方調整せずに実装するはこびとなったそうだ。
しかし、強力な武器となることを意図してリリースしたにもかかわらず、その使用率はLarson氏の予想よりも低かったという。ただ、同氏はCARの調整に自信をもっていた。時がたてば、優れたプレイヤーがCARの強さを引き出してくれると確信していたそうだ。現在のCAR人気は、同氏の読み通りになったといえる。
一方で、Larson氏は現状のCARの強力さが、R-99などの他SMG武器を圧倒しつつあることも認識しているという。CARの弱体化、R-99の強化、もしくはSMG系武器の総合的な見直しなど、さまざまな調整が検討されているとのこと。ユーザーからゲームパッド贔屓の調整と思われないようにも、気を配っていくそうだ。バランス調整については、現状および次シーズンだけでなく、長期的に健全なゲームバランスが保たれるように決めていくとのこと。長期的な目線では、同氏はCARの現状に満足しているそうだ。
開発者自らが詳細な設計意図を明かしたLarson氏の投稿。開発の経緯が詳しく共有されたことに対して、ユーザーからは好意的な意見が数多く寄せられている。一方で、同氏が認識しているように、現状のSMG武器のバランスについては否定的な意見もある。CARは弾薬を変更できるという特徴を備えているにもかかわらず、性能面でもR-99やプラウラ―を上回っているように感じるユーザーが多いようだ。ここは、今後の調整が待たれるところだろう。
『Apex Legends』では、チャージライフルやボセックボウ、ランページなど、強力すぎて実装直後に弱体化を受けた武器が数多く存在する。そうした武器に比べると、CARはちょうどいい強さで実装されたといえるだろう。そのぶん、プレイヤーたちが真価に気付くまで時間はかかったものの、おおむね開発者の意図したとおりの調整となっているようだ。一方で、ボルトを除くほかのSMG系武器はCARの陰に隠れているのが現状だ。今後、どういった調整が実施されていくのか。動向を見守りたい。