『ダークソウル』や『Fallout』などのファンたち、まだ存在しない次回作のトレイラーを勝手に作成してしまう。技術力をもったオタクたち、思い溢れて

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海外ファンたちによって、人気タイトルの新作トレイラー風動画が次々と生み出されている。Unreal Engine 5(以下、UE5)の力を得た野生の力余るファンたちは、思い溢れてか、勝手にトレイラーを生み出しているのだ。

UE5は、Epic Gamesにより今年4月に正式リリースされた次世代ゲームエンジンだ。負荷を軽減しつつ、緻密な環境光描写などを可能にする「Lumen」や、大量の高精細3Dモデルなどの描画を助ける「Nanite」などの新機能を盛り込んでいる。同エンジンによる制作も盛んになっており、開発中新作のエンジンをUE5に移行するとしたスタジオも現れ、ユーザーによる試験的な作品の制作などもおこなわれている。今回紹介するファンメイドトレイラーも、そうした試験的な作品を組み合わせて作られているという。

『Fallout 5』(ファンメイド)

まずは、『Fallout』の次回作をイメージして制作されたファンメイドトレイラーを紹介しよう。はじめに映し出されたのは、初代『Fallout』のパッケージを飾っていたT-51パワーアーマーの頭部だ。そして、シリーズを象徴するシェルターである、Vaultと思われる施設の様子も確認できる。NCRレンジャーコンバットアーマーに身を包んだキャラクターや、シリーズお馴染みの難敵であるデスクローの群れなども登場する。

その後も、レッドロケットのガソリンスタンドや、ファー・ハーバーに登場していたような漁村など、ファンにとって馴染み深い風景が映し出されていく。建造物のグラフィックだけでなく、水溜まりなどに建物や光が映り込んでいる点にも注目したい。緻密な環境光描写を可能にする「Lumen」の実力がうかがえる。夜に移り変わり、レッドロケットの看板が点灯するシーンなどは、息を呑むほど美しい。そして、最後には、『Fallout 4』の頼れる名探偵ニック・バレンタインが登場し、ファンメイドトレイラーは終了となる。

本トレイラーは、16人のアーティストによるUE5などによる作品を組み合わせて作られている。ゲームプレイ風シーンも盛り込まれており、次回作への妄想が膨らむ映像となっていた。なお、公式での『Fallout』新作については、Todd Howard氏が過去にインタビューで言及。いまだ構想段階であり、時期などについては現時点で正式な発表はできない、とのことだった。

『レッド・デッド・リデンプション リメイク』(ファンメイド)

つづいては、2010年発売『レッド・デッド・リデンプション』のリメイクをイメージして作られた、ファンメイドトレイラーを見ていこう。アメリカおよびメキシコの架空の州が舞台となる本作。トレイラーは、本作の代名詞となる果てしない荒野から始まる。後半では、トール・ツリーズとみられる森林や、ブラックウォーターと思われるレンガ造りの町並みも登場。いずれも、UE5による美しいグラフィックで描かれている。大量の高精細3Dモデルなどの描画を助ける機能である「Nanite」が、遺憾なく発揮されているのだろう。

くわえて、トレイラーには、イヌワシのような猛禽類のほか、馬の姿も確認できる。UE5は人工物や反射表現だけでなく、動物の描写にも抜かりはないようだ。さらに、本作の主人公となるジョン・マーストンも登場。さまざまなコスチュームに身を包んでおり、そのどれもが細やかにモデリングされている。イヌワシの羽根の揺らめきや、風になびく草木やジョンの髪、汽車が排出する煙にも注目したい。UE5は、柔らかに動く物体・流体の描写もお手の物のようだ。

ニュー・オースティン州や若き日のジョン・マーストンは、『レッド・デッド・リデンプション 2』にも登場しており、いずれもRockstar Advanced Game Engineによるハイクオリティなグラフィックで描かれていた。今回ファンの手によってUE5で制作されたトレイラーは、非常に質が高い。なお、こちらのトレイラーは、8人のアーティストたちの提供作品を組み合わせて作られているそうだ。

『ダークソウル4』(ファンメイド)

最後に紹介するのは、『ダークソウル』のファンメイド新作トレイラーだ。空に黒い月が輝く、荘厳な城から始まる映像。城門の前にいくつも立てられた木の障害物など、細かい部分からもソウルシリーズらしさを感じられる。次に、場面は城内と思われるホールに移る。今にもボス戦が始まりそうな雰囲気の大部屋。左右には、黒騎士のような甲冑が佇んでいる。

その後も、陰鬱ながら美しい、ダークファンタジーの世界が映し出されていく。なかには、初代『ダークソウル』のプレイヤーにとって思い出深いエリアとなる、「北の不死院」と思われる場所も登場。UE5による美麗なグラフィックで、不死院が忠実に再現されている。また、後半では、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を彷彿とさせる、月に照らされた艶やかな和風の情景も登場する。

シリーズ要素の再現だけでなく、松明や篝火のグラフィックにも注目したい。炎が繊細に揺らめき、非常にリアルに描画されている。また、炎に照らされた周囲の壁や草木にも、Lumenの環境光描写が発揮されている。

さらに、UE5による高精細な3Dモデルと、緻密な光の描写は、幻想的な場所・存在にも強い説得力を与えている。1分4秒ごろから映し出される霊廟のような場所では、赤い光が正確に描写されることで、幻想的な魅力が増している。2分47秒ごろから登場する髑髏のような物体は、精細なグラフィックで描かれており、リアルな影による立体感も相まって、ゾッとするような不気味さを放っている。

これらの映像を見るに、UE5はファンタジー作品でもその力を遺憾なく発揮してくれそうだ。特に、美しく緻密に描画される炎や光は、ファンタジー作品の幻想的な魅力を大きく引き上げてくれることだろう。なお、こちらの映像は、14人のアーティストによる作品を組み合わせたものとなる。

以上が、UE5などを活用して作られたトレイラー風動画となる。ファンメイドであっても、最新AAAタイトルに比肩するグラフィック描写を可能にするUnreal Engine 5。次回作を待ち望むファンの熱意は、UE5によって次々と顕現しているようだ。とはいえ、ファンがあまりに高品質なトレイラーを出すとハードルが上がり、公式のプレッシャーになる可能性もある。ファンの愛と技術の賜物といえるが、本家開発元としては悩ましくもあるかもしれない。

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