『FF14』黒魔道士がPvPで超強化されてコミュニティが大荒れし、吉田P/Dがコメント。再調整は6月7日のパッチ6.15を予定

『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏は、5月27日にトピックス「PvPコンテンツのバランス調整について」を公開した。大幅強化された黒魔道士の調整を中心とした題材に触れている。

ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏は、5月27日にトピックス「PvPコンテンツのバランス調整について」を公開した。5月24日に配信されたパッチ6.11aにおけるPvP調整について詳細に説明されている。同パッチではPvPコンテンツにおける黒魔道士が大幅に強化され、公式フォーラムなどで多くの批判的な意見が寄せられていた。トピックスではそれらの意見を踏まえてPvPコンテンツにおけるバランス調整の方針や、パッチ6.11a以前から議論されていたフロントラインにおける調整についてもコメントがされている。

パッチ6.11aにおける黒魔道士の強化は、詠唱時間の短縮やアクションの威力増加に加え、相手に足止め効果を与えるアクションの強化や、被ダメージを軽減するための防御系アクションなど、10のアクションに対して実施された。他のジョブの調整が1~4アクションに対してだったことと比較すると調整量の差は歴然で、パッチ6.11aのパッチノート自体が短めなこともあって、かなりの存在感を放っていた。

パッチ6.11aパッチノートより

『FF14』の少人数PvP「クリスタルコンフリクト」では、味方全員でターゲットを合わせ、1人ずつ集中砲火で落としていく戦法が主流である。黒魔道士は敵にデバフを与えて足止めし、ターゲットした敵を身動きが取れないようにするアクションが豊富なジョブだ。パッチ6.11aの強化ではそのデバフをさらに強化。そして黒魔道士自身のHPの低さを補うように、防御アクションも強化された。いやらしいデバフでこちらを拘束してくるうえ、さっさと始末しようにも粘り強く生き残る、敵に回すと非常に厄介なジョブに仕上がってしまったのである。

「デバフ漬けにされ、何もできないまま倒されてしまう」という後味の悪い対戦結果への苛立ちもあってか、パッチリリース後は公式フォーラムなどで「黒魔道士を強化しすぎではないか」という意見が噴出した。5月24日にフォーラムに投稿された黒魔道士の弱体化を要望するスレッドには、現時点で200を超える投稿が集まっている。

フォーラムでは語気の荒い発言もあり、削除されている投稿も多い

トピックスによると、今回の黒魔道士の強化は全ジョブの勝率や使用率を鑑みての調整とのことだ。黒魔道士はパッチ6.11aの実装調整の締切日である5月6日時点で、全てのランク帯において最低勝率を記録しており、最高勝率のジョブよりも14%ほど勝率が低いジョブだったようだ。そのため強化が必要であると判断され、問題となったパッチ6.11aで上述のとおりの調整が実施された。しかし、吉田氏自身は5月7日以降も継続してクリスタルコンフリクトの戦場に出没し、自身の手で黒魔道士のジョブ内容をチェックしていた。今月中旬ごろ、クリスタルコンフリクトにて吉田氏の目撃情報が相次いでいたのには、そうした理由もあったようだ(関連記事)。

吉田氏によるチェックなどをもとに再度検討がおこなわれた結果、黒魔道士の強化は“行き過ぎたもの”だったとコメントされている。ナイトウィングに追加されたヘヴィ効果やパラドックスのチャージアクション化はパッチ6.11の状態に戻される予定とのことだ。また、リミットブレイク中の被ダメージ軽減効果も弱体化されるようだ。黒魔道士の再調整を含むパッチ6.15は、6月7日にリリースを予定している。

トピックスでは、既存のPvPコンテンツ「フロントライン」におけるバランス調整についても触れられている。既存の大人数PvPである「フロントライン」では、少人数PvPである「クリスタルコンフリクト」に合わせてPvPアクションが調整された結果、大人数ではかなり“大味”な体験になっていることが議論されていた。パーティ内で同じジョブでの参加が不可能な「クリスタルコンフリクト」と異なり、「フロントライン」では各々好きなジョブを採用することができる。また、ルール自体がまったく異なるため、各ジョブの強力な奥義であるリミットブレイクの使用感も変わってくる。現状の「フロントライン」は特定のジョブで大技を放って敵を一掃するという、やや戦略性に欠けるゲームとなってしまっているのだ。今後、「フロントライン」ではジョブごとに与/被ダメージ補正がかかるほか、リミットブレイクの使用可能頻度が調整される。これらはパッチ6.18以降に徐々に対応されていくようだ。

黒魔道士の“超強化”により大荒れしていた『FF14』の少人数PvP「クリスタルコンフリクト」。本コンテンツが調整で荒れてしまったのも、パッチ6.1のリリース以降多くのプレイヤーが対戦を楽しんでいた影響が大きいだろう。また、プロデューサー兼ディレクターである吉田氏自身が黒魔道士を愛用しているということもあり、「吉田氏に贔屓(ひいき)されて強化された」と一部プレイヤーが感じてしまった側面もあるかもしれない。黒魔道士の再調整も含む『FF14』パッチ6.15は6月7日リリース予定だ。トピックス全文はこちらからお読みいただきたい。

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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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