RPGツクール最新作「RPG Maker Unite」では、キャラクターアニメーションが強化。素材画像サイズ内なら、パターン数の制限なし
Gotcha Gotcha Gamesは5月27日、「RPG Maker Unite」の新情報を公開した。本作では、キャラクターアニメーションのパターン数制限が変更。Steamの開発日記では、一部グラフィック素材の仕様も明かされている。
「RPG Maker Unite」は、PC/コンソール向けRPG制作ソフト「RPG Maker(旧RPGツクール)」シリーズの最新作だ。本作では、従来のRPG Makerシリーズと異なり、ゲームエンジンUnity上で動作する。新機能としてはモバイルアプリへのネイティブ出力に対応し、フローチャート式のアウトラインエディタを採用。1枚の背景画像上にオブジェクトを配置してのマップ制作や、一度にアクセスできる情報量が増加した一体型UIなども用意されている。多数の変更点により、作業効率のアップやできることの幅が広がっているわけだ。
今回の発表では、まずキャラクターアニメーションのパターン数に関する変更が明かされた。従来のRPG Makerでは、歩行キャラクター素材は1枚の画像内に素材を配置する仕組みで、各方向のコマ数に制限があった。本作では、歩行キャラクター素材は、上下左右の各モーションごとに分割し、1つのファイルに保存。コマ数の制限も撤廃されており、1ファイルの画像サイズが1024×1024ピクセルを超えなければ、パターン数に制限はないという。歩行アニメーションだけでなく、新たなモーションパターンとしてフィールドダメージも追加。またサイドビュー戦闘の場合には、最大サイズ4096×4096ピクセルの範囲内で、全18パターンのモーションが導入できる。制限の撤廃により、従来のシリーズよりもリッチなキャラクターアニメーションや、個性的な表現も可能となっている。なお、歩行アニメーションとサイドビュー戦闘の味方キャラクター素材には、上下左右に1pxの余白が必要だ。
開発日記ではマップ素材の一部仕様と、タイルセットの仕様変更について公開された。今作ではタイルデータの登録機能と、タイルグループという仕組みが登場している。タイル用の素材は、タイルデータの登録によってファイルを読み込み、タイルグループ内に登録することで使用可能となる。従来のRPG Makerでは、複数のタイル素材を1枚の画像内に配置する仕様となっていた。そのため、異なるタイルセットの1部分だけを使いたい場合には、素材を加工して追加する必要があった。今作では、タイルグループを切り替えるだけで、ほかの素材もすぐに配置可能。より手軽にマップが制作できるようになっている。また開発日記内では、主要グラフィック仕様が明かされた。公開されたのは戦闘背景/歩行キャラクター/顔画像/フロントビュー用敵キャラクター/サイドビュー用味方キャラクター/サイドビュー用敵キャラクター/マップ遠景/ピクチャ/タイルセット/タイトル画面など。それぞれのサイズなど、詳細については下記画像や開発日記を参照してほしい。
グラフィックの仕様発表にあわせて、「ぴくせるすけゐらぁ」の公式外部ツール化予定も発表された。「ぴくせるすけゐらぁ」はカル太氏による「ののの茶屋」にて配布中の、ドット絵やピクセルアートを、イラストのように拡大するツールだ。過去のRPG Makerシリーズ用の素材は、小さい規格で制作されているため、そのままでは「RPG Maker Unite」では使用できない。「ぴくせるすけゐらぁ」により素材を「RPG Maker Unite」にあわせてリサイズすることで、微調整をするだけで「RPG Maker Unite」でも過去の素材が利用できるようになる。。なお公式ツール化しても、既存の「ぴくせるすけゐらぁ」の配信は継続される。すでに利用している場合は、引き続き旧バージョンを使用することも可能であるそうだ。
「RPG Maker Unite」は、PC(Steam/Unity Asset Store)にて2022年内にリリース予定。リリース段階での対応言語は、日本語/英語/中国語となっている。