【UPDATE】『FF10』のワッカが突如ネットミーム化。闇深い“ワッカ構文”や謎のコラージュが広まる

『ファイナルファンタジーX』のキャラクター「ワッカ」がネットミーム化しているようだ。二次創作のワッカの台詞が“一部”SNSユーザーの間で広まり、大衆の目にも止まっているようだ。

【UPDATE 2022/6/7 12:10】
AUTOMATON編集部です。先月5月25日に掲載した本記事「『FF10』のワッカが突如ネットミーム化。闇深い“ワッカ構文”や謎のコラージュが広まる」について、不適切であるとして打ち消し線を入れるかたちで対応をとらせていただきます。

理由としては、記事内で取り扱ったミームおよび動画が、同性愛を侮辱するような表現を含んだものであり、無批判に掲載すべきではなかったとのご指摘を受けてのものであります。改めて、関係各位および読者のみなさまにお詫びいたします。

また執筆者記名についても、責任の所在を明確化するためにAUTOMATON編集部へと変更いたします。

経緯としては、弊誌では、他メディアでは読めない記事を取り上げるにあたって、インターネット文化を取り上げることに力を入れており、そのなかで「おとわっか」をきっかけとして注目が高まったネットミームの文化とその背景に着目いたしました。そしてライターに、このトピックについての執筆を依頼し、内容を編集部が確認の上、記事掲載へと至りました。結果として、前述したような「同性愛を侮辱する」という問題点を深く認識できておらず、関係各位および読者のみなさまを傷つけることになりました。誠に申し訳ございませんでした。

本件を受けての対応内容:

①掲載していた事実を残すと共に、今後の反省とするため、記事全文に打ち消し線を入れる [6/7 13:20 打ち消し対応をとった意図について追記]
②責任は全面的に編集部にあることから、本稿の執筆者記名をAUTOMATON編集部へと変更
③再発防止のため、編集部内でインターネット文化の取り扱いの精査を再検証し防止策を設定

本件記事の取り扱いについてご意見・ご指摘をいただいたすべてのかたに御礼を申し上げるとともに、改めまして、本件に関しまして編集部よりお詫び申し上げます。

AUTOMATON編集長 川瀬


【原文 2022/5/25 19:12】
ファイナルファンタジーX』のキャラクター「ワッカ」がネットミーム化しているようだ。発端となったのは、各動画共有サービス上に投稿されたとある二次創作動画。動画内のワッカの台詞が“一部”SNSユーザーの間で広まり、大衆の目にも止まっているようだ。


ワッカは、『ファイナルファンタジーX』に登場するパーティーメンバーのひとり。ビサイド島に流れ着いた主人公ティーダを助け、召喚士ユウナを守るガードとして冒険の旅に同行する。彼の外見はというと、筋骨隆々たる逞しい肉体をしており、トレードマークの青いバンダナとトサカっぽいヘアスタイルも印象的。性格は体育会系で、ゲーム内でもっともポピュラーなスポーツであるブリッツボールのキャプテンも務めていることから、朗らかで世話好きな兄貴分といった存在である。

一方で、本作の舞台スピラで広く信仰されているエボン教の敬虔な信者であり、とある経緯もあって、エボンの教えに反する機械やアルベド族に対しては態度が急変。憎悪にも似た感情を露にする。この二面性がある性格の“裏”の部分は、プレイユーザーの記憶に強く刻まれているようだ。そうしたユニークな外見や印象深い性格からか、本作発売から20年以上経った今も、数々のファンアートや動画などの二次創作物が現在進行形で制作されているようである。

https://www.youtube.com/watch?v=F9104c74YIA


そうした二次創作物の中で、今回ネットミーム化の発端となったのが「おとわっか」。投稿者のラグマット氏をはじめ、ワッカが大好きなユーザー数人が集まって制作された合作動画である。動画ジャンルは「音MAD」で、メドレー形式に流れる楽曲のリズムに合わせて、ゲーム内の映像・音声を編集および改編した作品になっている。いわゆる“ネタ動画”だ。動画内には、ニコニコ動画界隈の定番ネタが散りばめられており、合作ということもあってか、各パートの編集も至極丁寧。ゲーム実績獲得に勤しんだ者のほろ苦い思い出である雷平原の落雷避けなど、作品にまつわる“あるあるネタ”も盛り込まれている。

そんな並々ならぬクオリティが功を奏したのか、5月7日の投稿からニコニコ動画の再生数はうなぎのぼり。執筆現在で90万再生を超えており、昨今のランキング上位作品と比較しても、異例のヒットといえそうだ。


そうした動画の人気振りは動画配信プラットフォーム内に留まらず、Twitter上にも露出。動画にて本作にまつわる台詞を改編した、本来作中には登場しない台詞を動画視聴者が好んで呟き、ネットミーム化したようだ。

たとえば、本作の続編である『ファイナルファンタジーX-2』に登場したユウナの台詞「ワッカさんが産むわけじゃないんだよ」を一部改編した「ワッカさんが産むんだよ」がミーム化している。また『DISSIDIA FINAL FANTASY NT』の広告にて、ティーダのキャッチコピーとして使用された「ティーダのコンボ、気持ちよすぎだろ!」の一部を卑猥に改編した台詞が好まれている模様。都合上、本稿で具体的には紹介しづらいため、興味のある方は各自でTwitter上を検索してみてほしい。


これらの台詞を筆頭とする、闇深い“ワッカ構文”が注目を集めてSNS上に氾濫。その広がりはキャラクター自体にも及び、空前のワッカブームが起きている。ワッカの台詞を弄った時事ネタを投稿する者。ワッカをそぐわない場所に無理やり登場させるコラージュを制作する者。はたまたワッカの思い出話に浸る者。さまざまなアイデアが光るワッカネタが、多くのSNSユーザーによって拡散されている。その大衆の目に止まるほどに火が付いたブームは、本シリーズ未体験のユーザーが作品自体に興味をもつという、思わぬ影響も与えているようだ。

今回の「おとわっか」を発端とするネットミーム化によって、ワッカあるいは本作が再注目されているのは喜ばしい。しかしながら動画の内容が内容だけに、一部ファンにとっては困惑してしまう出来事ともいえそうだ。ワッカに突如集まった注目は、果たしてどこまで続くのだろうか。



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