個人開発者のflanne氏は5月12日、Steamにて『10 Minutes Till Dawn』を配信開始した。本作は同氏が開発中のゲームの無料版という位置づけながら、プレイヤーたちの注目を集めているようだ。日本語表示にも対応している。
『10 Minutes Till Dawn』は、ローグライク要素を盛り込んだ見下ろし視点のアクションゲームだ。「死ぬとほぼ一からやり直し」「アップグレードはランダムなラインナップから選ぶ」など、近年のいわゆるローグライク作品によく見られるシステムを導入している。本作は現在開発中のゲーム『20 Minutes Till Dawn』の無料版との位置づけだ。
プレイヤーはそれぞれの能力をもつキャラクターを選び、好みの遠距離武器をチョイスして戦闘を開始。レベルアップごとに提示されるアップグレードを選び抜いて、戦闘力を高めていくのだ。アップグレードの種類としては、武器のリロード速度や同時発射数を向上させたり、プレイヤーの周りを飛び回るナイフを召喚したり、氷や炎の魔法を弾丸に込めたりとさまざま。プレイヤーは敵の猛攻を押し返し10分間生き残るため、武器とアップグレードの相性なども考慮しつつ、自分なりの最強ビルドを構築していく。短時間で戦力が膨れ上がっていくのが楽しく、1プレイ10分と短いながらつい何度も周回してしまう中毒性のある仕上がりだ。
『10 Minutes Till Dawn』はSteamにおける5月12日のリリース後、ピーク同時接続者数が3400人を突破。以降も毎日ピーク時で3000人前後のプレイヤーが本作をSteamで遊んでいるようだ(SteamDB)。ユーザーレビューとしても記事執筆時点で1430件が寄せられており、うち96%が好意的な「圧倒的に好評」ステータスとなっている。また、ドイツのクリエイター集団Bonjwaや、人気ストリーマーのLIRIK氏などが、Twitchにて本作のプレイ実況を配信して視聴者を集めている(SullyGnome)。こうしたインフルエンサーによる周知も、プレイヤー人口増加の一員と考えられる。
「配信や口コミでにわかに人気となった、中毒性ある見下ろし視点アクション」といえば、最近よく似た経緯で流行した作品がある。『Vampire Survivors』である。Steamにおける本作ユーザーレビューでも、『Vampire Survivors』と比較する意見が多い。筆者も両作をプレイしており、たしかにゲームプレイの基礎部分はかなり似通っているとの感想をもった。一方で『10 Minutes Till Dawn』には異なる点も多い。たとえば、アートスタイルやシューター寄りのアクションのほか、ライフゲージではなく「残機制」の体力システムを採用している。緊張感のある、密度の高い10分間のドンパチは『Vampire Survivors』とは違う楽しさがある。『10 Minutes Till Dawn』が『Vampire Survivors』に影響を受けたかは定かでないものの、いずれも別々の魅力があるタイトルとして親しまれることだろう。
開発者であるflanne氏は『10 Minutes Till Dawn』製品版となる『20 Minutes Till Dawn』も開発を進めている。製品版で予定している追加要素としては、追加キャラや追加武器のほか、特定のアップグレードの組み合わせを保持している際にのみ「組み合わせアップグレード」が手に入る、Synergy Upgradeシステムなどを実装予定。また、製品版では「20 Minutes」とのタイトル通り1プレイの時間が20分となる。ただ、無料版での10分のプレイ時間も好評であることから、1プレイ10分のモードも製品版に実装予定とのことだ。
『10 Minutes Till Dawn』はPC(Steam/itch.io)にて無料で配信中。製品版『20 Minutes Till Dawn』はPC(Steam)向けに配信予定で、価格や発売時期は未定。いずれも日本語表示に対応する。