PlayStation 2の“起動画面の柱”の条件が、発売から22年経った今議論される。ゲームの数か?セーブの数か?

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ソニーのゲーム機PlayStation 2の起動画面にまつわる話題が、今になって海外SNSユーザーなどを中心に広まっているようだ。プレイヤーがPS2で遊べば遊ぶほど変化する起動画面の条件が、改めて注目を集めている。

PS2はソニーが2000年にリリースした家庭用ゲーム機だ。大人気を博した初代PlayStationの後継機として、数多くの傑作ゲームがリリースされた名機である。『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』や『アーマード・コア2』などのPS人気作品の続編が次世代のグラフィックを見せつけたほか、『キングダムハーツ』『Devil May Cry』『モンスターハンター』『ゴッド・オブ・ウォー』などの人気フランチャイズが産声をあげたプラットフォームでもある。

当時PS2で遊んでいた方は、本機の起動画面を覚えているかもしれない。機体の電源を入れると、「Sony Computer Entertainment」の文字が出現。背景にはモノリスのような柱が立ち並び、光の粒子がその合間を泳ぐ。印象的なサウンドと合わせて、記憶に強く残る映像だ。この起動画面の柱は、プレイヤーがPS2で遊ぶごとにどんどん増えていく。思い出やセーブデータの数に比例するように、柱が画面を埋め尽くしていくのである。

この柱は、明らかにプレイ体験を経るごとに増えていくものの、その詳細な条件については本体メニューや説明書などでの説明はなかった。この仕組みについて気になるユーザーたちのなかには、PS2で利用されたセーブデータ保存ストレージのメモリーカードと結びつけて考える者も。そのほか、「柱の数と高さは、メモリーカードのセーブデータの数とファイルサイズではないか」との推測がYouTubeなどを通じて広まっていた。一方で、PS2のシステムソフトウェアGUIデザインを担当した平松修治氏は「メモリーカードの中のタイトル起動回数を読んで、画面の中に柱が立つ」とコメント。柱の本数は初代PSの世帯あたりゲーム装着率から割り出したと語っていた(Internet Archive)。

そして、この“柱の仕様”にまつわる話題が現在、海外ユーザーを中心に注目を集めている。TwitterユーザーのAnthony氏は5月11日、PS2起動画面の柱の数について言及するツイートを投稿。「柱の数はセーブファイルの数、柱の高さはゲームのプレイ時間だったんだ」と伝え、驚きをあらわにしている。同ツイートは2万RT以上を集め、多くの反響が寄せられている。

ただし、Anthony氏の見解には矛盾もある。UIに携わった張本人である平松氏は上述の通り、「タイトル起動回数を読んで柱が立つ」と証言しているからだ。この証言を裏付けるようなユーザー検証結果が、ゲーム分析コミュニティサイトThe Cutting Room Floorに存在した。同サイトのPS2情報ページにある記述では、起動画面の柱の高さは「ゲーム起動回数による」と記述されているのだ。これは平松氏の証言を裏付けている。

また同ページでは、柱の数は「メモリーカードが刺さった状態で起動されたゲームの数」としている。セーブファイルの数ではないという考えだ。もちろん、これらの数値は相関関係にあるだろう。しかしながら各タイトル起動回数のデータは、セーブファイルとは無関係に独立してメモリーカードに保存されているそうだ。つまり、「セーブデータの数とファイルサイズで柱が変化する」との理解は、厳密には誤っていたと考えられる。実のところは「起動したゲームの数と起動回数」で変化すると見られるわけだ。この情報を投稿したユーザーであるRyccardo氏は、同サイトにおいてほかにも多数作品やゲーム機の分析情報などを投じている。平松氏の証言と合わせて考えても、一定の信憑性をもつ分析結果だといえるだろう。なお、この情報は2020年に追記されている。

Anthony氏のツイートに端を発する「PS2起動画面の柱の数」談義はTwitterを飛び出し、GameSpotGamesRadar+などの海外メディアにも取り上げられている。22年前に発売されたPS2がこれほどユーザーおよびメディアの関心をそそるのは、現在に至っても興味を引くアイコニックなゲーム機という証だろう。当時PS2で楽しんだ皆さんの起動画面は、どんな風景だっただろうか。

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