『スマブラSP』にて「スリングショット」なるテクニックが話題集める。慣性を利用し、駆け引きをスマートに
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』コミュニティで、「スリングショット」なるテクニックが注目を集めている。もともと使っているプレイヤーもいたようだが、テクニックとして提唱され名前がつけられたことで、今熱い視線を集めている。
スリングショットは、慣性を保存しながら動くテクニック。例として、ジャンプを扱おう。一般的には、向かい合う相手から離れるためには、相手の逆側を向いて進むことになるだろう。そうすれば、当然相手から背を向けることになり、仕切り直しになる。しかしスリングショットを使うことで、相手側を向きながらもスピーディに後退することができる。
使用方法としては、たとえば右を向きながら左にスリングショットしたい際には、移動を左入力しつつ右下に入れてジャンプ。そうすれば、左にジャンプしながら右に向くといったことができる。コマンドとしては←➘ジャンプ。成功すれば、前を向いたまま後ろに華麗に飛ぶ自キャラの姿が確認できるだろう。
ようするに、後ろに飛びながら前を向いたままにしたり、反転空中後ろ攻撃を前方を向いている時の勢いで出せたりと、コンボのつなぎや相手との駆け引きに使えるオプションが増えるわけだ。ジャンプだけでなく地上でも使うことができ、用法は幅広い。使い方はユーザーたちが出している説明や動画を確認するのが手っ取り早い。なお、ファイターによって慣性の動きがそれぞれ違うので、使用感も異なることは留意しておきたい。
今回のテクニックは新発見というよりは、名前がついたことでテクニックとして認知された側面が強い。発端は、『スマブラ』プロプレイヤーGimR氏が、同テクニックを「新たなメタである」と動画で提唱したこと。同氏は、スリングショットを3種類に区分。前を向いたまま後ろに飛ぶフリックショット。スティックをホールドし小さく小回りを利かすホールドショット、ホールドショットの派生として大きく動くフルショットとして紹介した。これらの技がスリングショットとして総称され、大技のように発信されたことで、国内外に話題にのぼっているのである。いずれも方向転換や移動として左下/右下を入力する、慣性を利用した技である。GimR氏は、これらのテクニックを用いたさまざまな応用技も紹介している。
これらの入力はそこまで複雑ではない。それゆえに、テクニックと定義される前から自然に使っていたユーザーもいることだろう。このたびGimR氏が名称をつけ、テクニックとしてコマンドや現象を定義したことで、スリングショットが新テクニックかのように話題となったわけだ。接敵時の駆け引きという、対人における重要な立ち回りにて提唱されたことで、ユーザーの関心も高いのかもしれない。
Nairo氏やVoiD氏など、プロ選手を含めたさまざまなプレイヤーがこのスリングショットを試している。実際にこの動きがテクニックとして定着するかは不透明ながら、話題になっておりさまざまなユーザーが試しているのは確かなようだ。新たなテクニックと聞くと胸躍る人もいるだろう。駆け引きに新たな工夫を加えてみてもいいかもしれない。
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