Behaviour Interactiveは4月28日、『Dead By Daylight』に登場するキャラクターであるデイビッド・キングが、同性愛者であることを正式発表した。彼がそうなるに至った経緯は、4月29日に配信予定の学術書11「 献身」にて語られるという。
『Dead By Daylight』は、閉鎖された場所から脱出を試みる4人の生存者と、それを阻止する1人の殺人鬼に分かれ戦う、非対称マルチプレイ対戦ゲーム。2016年のリリース以降、5年以上もサービスが続く人気作品だ。今年の6月には6周年を迎える予定で、さらなる盛り上がりが期待されている。
そうしたなか、4月21日に新たな学術書である「献身」が発表された。投稿された画像には、デイビッド・キングが印象的に扱われており、コミュニティ内では彼の過去を深堀する内容ではないかと噂されていた。そして4月28日。公式サイトに「デイビッド・キングについてのお知らせ」と題した記事が投稿される。そこには、「本日、デイビッド・キングはDead by Daylight初の同性愛者のキャラクターであるということを正式に発表します。 」という言葉と共に、新たな学術書の概要が語られていた。
なんでも学術書11「献身」は、デイビッド・キングの新たな一面に焦点を当てる内容だそうだ。彼がエンティティに連れ去れる以前の生活が語られるのだという。「キングでいることの大切さ」と題した記憶では、彼が自分自身のアイデンティティとセクシュアリティを受け入れることに苦悩する姿や、同性愛者となった経緯が語られるというのだ。
デイビッド・キングといえば、『Dead By Daylight』に登場する生存者のひとり。2017年に登場したチャプター5「A Lullaby for the Dark」にて参戦した彼は、本作の中でも特に長身で筋骨たくましい大男だ。短く刈り込んだツーブロックと、袖をまくったジャケット姿が印象的である。弱いものいじめや不義を酷く嫌う一方で、短気で喧嘩に目がない気質を持ち合わせており、興奮を求めて自ら渦中に飛び込む悪癖を併せ持っているのが、彼の主な特徴だ。
そんな彼が、同性愛者であることが突如発表された。既存のキャラに同性愛というカラーをもたせるのは、『オーバーウォッチ』シリーズなどにも見られる。とはいえ、『Dead by Daylight』にとっては新しいアプローチにであり、ファンによっては驚くかもしれない。しかしながら、本作がLGBTの課題にアプローチしたのは、これが初ではない。
『Dead By Daylight』の開発元であるBehaviour Interactiveは2021年の5月、LGBTQ+カルチャーのコンサルティングなどをおこなう団体GaymerXを、外部パートナーとして招いたことを発表している。これを受け、今後ゲーム内に「LGBTQIA2+」のテーマを取り入れることを公言。多様性を尊重するかたちで、将来的にさまざまなサポートやコンテンツの配信が示唆されていた。ちなみに「LGBTQIA2+」とは、広範なセクシャルマイノリティ、およびその支持者である人たちのこと。
続く2021年6月には、LGBTQIA2+の権利を啓発する運動であるプライド月間（Pride Month）に合わせたイベントが、ゲーム内にて開催。これは、性の多様性を象徴する虹色をモチーフにしたアイテムが配布されるというもの。さらに同月には、YouTubeの『Dead By Daylight』公式チャンネルにて「#IntoTheRainbow」と題した動画配信を開始。これは、LGBTQ+当事者のゲーム実況者たちをフューチャーするといった内容で、配信は約4時間以上も続いた。5周年記念配信が1時間ほどだったことを考えると、LGBTQIA2+と真剣に向き合う姿勢がうかがえる長尺の配信であった。
このように本作は、LGBTQIA2+コミュニティに対していくつかのサポートをおこなってきた。これは、本作を配信する人気ストリーマーに、LGBTQIA2+の人が多いことも関係しているのかもしれない。そして今回、デイビッド・キングが同性愛者であることが発表されたかたち。彼のようなステレオタイプな男性キャラクターを、同性愛者として扱うにはさまざまな葛藤があったという。GaymerXの協力もあってか、なんとか適切な表現に落とし込むことに成功したようだ。
デイビッド・キングの新たな一面が描かれる『Dead by Daylight』の学術書11「 献身」は、4月29日に配信予定。また、2022年6月に開催されるプライド月間に合わせて、昨年と同様に関連アイテムの配布が実施中。ゲーム内ストアにて引き換えコード「PRIDE2022」を入力すれば、レインボーの魔よけが2種類ゲット可能だ。合わせてチェックしておこう。
