『エルデンリング』が語られる際、しばしば話題にのぼるのが「ボリュームの多さ」だ。本作にはミニダンジョンや坑道が多数点在し、その奥には強敵が待ち構えているのがお約束。そんな本作が実際にどれだけのボリュームを誇るのか、“数”の側面からおさらいしたい。なお本稿では本作全体のデータを取りまとめているため、閲覧の際には留意されたい。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。本作の舞台は広大なオープンフィールドである狭間の地。そこには山も谷も大型エレベーターもあり、プレイヤーが予想だにしなかった広がりを見せつけてくれる。また、「寄り道すると大体なにかある」といっても過言ではないほど、興味をそそる探索ポイントも多数配置されている。
具体的には、地下墓・英雄墓・洞窟・坑道・廃墟・砦・ボロ屋などが各地に散りばめられている。また、一部ロケーションの奥にはお約束的にボスが配置されているほか、小黄金樹を守る黄金樹の化身や、フィールド上で夜間のみ出現する強敵など数々のボスキャラが存在する。探索ポイントやボスをひとつ残らず制覇しようと、躍起になった方も多いのではないだろうか。
では、具体的に本作には何体のボスキャラが存在するのだろうか?そこに一つの回答を見出したのが、海外スピードランナーであるLilAggy氏だ。同氏は、本作Any%(達成度問わず)カテゴリーにて早期に1時間切りの記録を打ち立て、『SEKIRO: Shadows Die Twice』などでも世界トップクラスの記録をもつ人物だ。そんなLilAggy氏が4月16日に成し遂げたのは、『エルデンリング』全ボス撃破スピードクリアだ。クリアタイムとしては、9時間47分14秒となっている。よく考えればとても速いものの、かなりの長時間にわたる激闘だ。それもそのはず、同氏によれば、本作のボスは165体存在するというのだ。
この165体との数字は、再登場するボスについては登場ごとに1体とカウント。一方で同時に複数体現れるボスや形態変化などについては、まとめて1体とカウントしているようだ。LilAggy氏は今回、旧バージョンであるVer.1.02.3にて、弱体化される前の戦技を駆使してボスを駆け抜けている点には留意したい。しかし165体といえば、単純に1ボス3分で倒したとしても495分、すなわち8時間強はかかる計算である。同氏が本作をやり込んでいるからこその記録といえるだろう。また、プレイヤーによってはひとりのボスに何度も何度も挑戦することになる本作において、165体との数字は改めて考えると気が遠くなるほどだ。
なお、本稿におけるデータの元としては、筆者によるゲーム内マップ・メニューでの目視計算および、複数のコミュニティ攻略リソースのデータを相互参照している。細心の注意を払い数字を割り出しているものの、なにぶん膨大なコンテンツ量ゆえに抜けや数え間違えがある可能性には留意されたい。
『エルデンリング』にてインパクトのある数字は、ボスの165体だけではない。ミニダンジョンや探索ポイントの数も圧巻である。まず、英雄墓については5つ(と副墓が1つ)存在。地下墓は16箇所、洞窟は17箇所、坑道は9箇所、砦は4箇所が存在する。また、ほかにも寄り道ダンジョン的な構造の場所や、探索ポイントはいくつも存在する。規模や難易度はピンキリであるものの、プレイヤーの緊張感高まるミニダンジョンが52箇所から存在するわけである。そして、狭間の地全土を繋ぐ祝福については実に360箇所が存在し、褪せ人たちの快適な移動を支えている。
なお、同スタジオ過去作『DARK SOULS III』においては、武器の数は188種類とされ、防具総数は299種類といわれる。一方で、『エルデンリング』に登場する武器類は杖や触媒・遠距離武器などを含めると308種類(盾類を除く)にのぼり、約100種類以上増加。また、本作の防具については、まず兜枠が169個、胴鎧枠が206個(いずれも調整版含む)となっている。そして、手甲枠が94個、足甲枠が107個存在する。合わせて576種類。つまり、過去作の2倍に迫る数の防具が用意されているわけだ。ファッションやコスプレも捗ろうというものである。
余談ながら、筆者は本稿を執筆しながら、まだ倒していないボスや未到達のロケーションを発見してしまった。本作をむしゃぶり尽くしたと思っている方も、もしかするとまだ見ぬ発見がどこかに眠っているかもしれない。