育成ローグライト『モン娘ぐらでぃえーた』大型アップデートで新モンスター娘が登場。デッキ編集機能と新カードにより、強力なコンボも可能に


国内の個人ゲーム制作サークルZephyrStudioは4月15日、『モン娘ぐらでぃえーた』にて大型アップデートを配信した。ver1.2.0では、新たな育成モンスター娘や継承システム、ランダムイベントマスなどが登場。デッキの編集機能も追加されており、新規カードとあわせてコンボが大幅に狙いやすくなっている。
 

https://twitter.com/ZephyrStudioJP/status/1514835236319682560

 
『モン娘ぐらでぃえーた』は、カードを使ってモンスター娘を育て、闘技場の制覇を目指すモン娘育成ローグライトRPGだ。本作の舞台では、過去の戦争の影響により亜人への迫害が続いていた。そんな中、闘技場には身分の別け隔てなく誰でも参加可能。制覇すると、安定した暮らしが手に入るという。新人モンスターブリーダーのプレイヤーと、亜人復興協会に所属する新人トレーナーコメットは、モンスター娘と共に闘技場へ挑戦。安定した暮らしを手に入れるべく、3人1組のトレーニングと戦いが始まる。
 

 
闘技場を勝ち抜くため、プレイヤーとコメットはトレーニングによってモンスター娘を鍛えていく。本作ではトレーニングが育成カード、スケジュールが1日単位のマスによって表現されている。育成カードには、トレーニングにかかる日数がコストとして設定されており、使用するとコスト分だけ先へ進行。たとえば、2コストの育成カード「走り込み」を使用した場合には、トレーニング効果によって最大HPが増え、2コストなので2マス先へ進むわけだ。

また止まったマスの種類に応じてイベントが発生する。回復マスではHPの回復、カードショップではカードの複製と売却、アーティファクトショップではアーティファクトの購入など、イベントを上手く利用することで効率的に育成を進められるようになっている。
 

 
モンスター娘が立っている戦闘マスや各ランクの最後では、モンスター娘同士のバトルが発生する。バトルでは、時間経過で溜まるAPを消費し、モンスター娘の習得している技を発動。対戦相手のモンスター娘のHPを削りきれば勝利だ。報酬としては、使い捨ての育成カードやお金、トレーニング効率を改善するアーティファクトなどが獲得できる。手に入る育成カードの中には、HPを消費する代わりに0コストでステータスを伸ばすカードや、トレーニング効果自体を大きく増幅させるカードなども存在し、戦えば戦うほど強くなるといっても過言ではないだろう。

ただしバトル開始時のHPは、育成パートのHPと共通になっている。バトルに負けるとゲームオーバーになってしまうため、ある程度HPにも気を配る必要があるわけだ。ステータスは育成効率に関わる愛情と、HP/筋力/強靭/知力/精神の5種類。モンスター娘としては、美味しいものを食べることが好きなドラゴニュートや、眼に高値がついているというイビルアイズなど、全部で13人のモンスター娘が育成対象として登場している。また育成モンスター娘など、一部の要素はゲームプレイを通して解放する仕組みになっている。
 

 
本日正式公開されたver1.2.0では、以前から実装予定となっていた3人のモンスター娘が登場した。クラゲ系亜人のキロネクスは、専用技で状態異常スタックを獲得し、まとめて相手に状態異常を与えられる。いつも寝ている植物の亜人マンドラは、あくびで相手を眠りに誘い、睡眠による回復やAPダウン技でマイペースな戦いを展開。悪霊が宿った人形キラードールは独占欲が強く、愛情の上限値を上昇させる初期アーティファクトをもっている。それぞれ特徴的な性質をもっており、これまでとは異なるバトルや育成が繰り広げられる。

新実装の3人は、新規実装されたブリーダーパック「The Chosen Heroes」にて、ゲームプレイを通して手に入る通貨を支払うと入手可能。モンスター娘関連の新規要素としては、全モンスター娘に初期アーティファクトが追加され、育成開始時に2種類の内どちらかから選択可能。継承システムでは、育成の終わったモンスター娘から初期アーティファクトが継承できる。
 

 
大きな要素としては、新登場したデッキ編集機能により、初期デッキとカードプールが変更可能になった。デッキ編集機能では、育成開始前に初期デッキに編成するカードと、報酬として獲得できるカード群を編集する。カードのレアリティがスターター/ノーマル/レアの3つに分類されており、スターターが初期デッキ、ノーマルとレアは報酬のカードプールに相当。初期カードとブリーダーパックからアンロックしたカードを組み合わせ、レアリティごとに決まった枚数を編成することで、育成を開始できる。

これまで『モン娘ぐらでぃえーた』では、決まった初期デッキを使い、ランダムに登場する報酬カードと組み合わせて、育成を進めていた。初期デッキが編集可能になったことで、育成方針に応じてカードを変更し、特定のステータスを伸ばすカードばかり編成するなど、効率的な育成が可能となっている。
 

 
またデッキの編集機能と新規育成カードを組み合わせると、強力なコンボも可能だ。従来の本作では、育成カードの効果発動回数を一時的に増やすダブルキャストや、全ステータスを大幅に鍛える模擬戦など、強力なカード自体は存在していた。しかしドローソースは限られていたため、強力なカード同士を組み合わせたコンボの機会は限定的だった。

今回のアップデートでは、強力なドローソースやサーチ手段など、コンボパーツが追加。300G支払ってランダムなアーティファクトを手に入れる「おつかい」や、手札のコストをすべて1下げる「食事制限」など、特殊なカードも登場している。デッキの編集機能と新規カードによってカード同士の組み合わせが狙いやすく、新たなコンボも可能となり、デッキ構築要素の遊びの幅が広がったわけだ。新規要素としては、新アーティファクトや新難易度「試練6」も導入。新規マスとしては、アーティファクトを購入できるアーティファクトショップや、ランダムイベントが発生するイベントマスが追加されている。
 

 
『モン娘ぐらでぃえーた』を手がけるZephyrStudioは、国内の開発者湊あおい氏による個人ゲーム制作サークルだ。本作は、2021年2月にPC版がリリース。リリース以降、愛情値の数値化や、戦闘パートの倍速機能追加など、アップデートが重ねられてきた。Steamでは25件のユーザーレビューの内、92%の好評によりステータス「好評」を獲得。また本作は、『実況パワフルプロ野球』シリーズのゲームモード「栄冠ナイン」、『モンスターファーム』シリーズ、『ダンジョンメーカー』に影響を受けているそうだ。
 

 
モン娘ぐらでぃえーた』は、PC(Steam/BOOTH/DLsite/メロンブックス)/iOS/Android向けに配信中。価格が各ストアで異なり、それぞれ税込でSteam版が520円、DLsiteおよびメロンブックス版が550円、BOOTHおよびAndroid版が500円、iOS版が610円となっている。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。