『METAL GEAR SOLID 3(メタルギアソリッド3)』において、とあるエリアを瞬間移動によってスキップするグリッチが見つかったようだ。本作の名シーンの一つともいえる印象的な演出をあっさりとスルーして、プレイ時間を短縮することに成功している。Kotakuが報じている。
今回、『METAL GEAR SOLID 3』のグリッチを発見したのは、同作のタイムアタック(RTA)プレイヤーであるApel氏。まずはこれまでの経緯を一度振り返ろう。同氏は2020年にFood Zipと呼ばれるグリッチを発見していた。Food Zipはやや複雑な手順が必要となるグリッチで、最終的には任意の食料系アイテムを3つ装備して所定の操作をおこなう。成功すれば、スネークが摩訶不思議な挙動をとりながら、エリアをすり抜けるというものだ。同グリッチはハチを操るボスであるザ・ペインとの戦闘をスキップする方法として考案されていた。そののち、ほかのRTAプレイヤーによっても活用されていく。研究所やドレムチイ北部など、さまざまなエリアで応用できるグリッチになっていった。
そして、Apel氏が今回新たに発見したのが、クラスノゴリエ坑道での応用である。主題歌が流れるなか梯子をひたすら上っていく、あのエリアだ。Apel氏はこの長い梯子をFood Zipによって華麗に(?)スルーし、プレイ時間を大幅に短縮できることを発見した。
Food Zipの手順をこなしつつ、梯子に向かっていくスネーク。唐突にメニューを開くわけだが、決して装備するアイテムを迷っているわけではなく、これが同グリッチの手順である梯子の直前で準備を完了したスネークは突如Tの字ポーズをとり、真上に急上昇。恐ろしく速い動きにはカメラさえ追いついていない。梯子を上りきった先にローリングで着地したスネークは、何食わぬ顔で次のエリアへ。主題歌が流れる名シーンを完全にスルーし、ショートカット成功となる。 ちなみに、ローリングするタイミングを間違えて着地に失敗すると、落下死扱いとなる模様。
Food Zipでは、所定の状態でのセーブおよびハードウェアのリセットが前準備として必要となる。それらをおこなわない場合は、再現性が著しく下がってしまうようだ(PS3ではリセットの必要がない可能性もあるとのこと)。また、ゲームがクラッシュする可能性もあるため、再現を試みる場合は注意されたい。
『METAL GEAR SOLID 3』は2004年発売のタイトルだが、いまだに新たなRTAテクニックが発見されるほど、その人気は根強いといえる。これからも、タイムアタックプレイヤーの執念が、スネークの知られざる超能力を引き出してくれるかもしれない。