『エルデンリング』クリア時間がもう9分切り。ついに全ボス無視のほぼ無血王座へ

『エルデンリング』のタイムアタックが、9分切りの世界に突入した。しかし、まだまだ短縮の余地はあるようだ。

エルデンリング』のタイムアタックが、9分切りの世界に突入したようだ。カテゴリーは、異常な短時間クリア記録が数多く生まれた「Any% Unrestricted(達成度問わず・なんでもあり)」だ。本稿にはその性質上、ネタバレとなりうる動画などが含まれるためご注意されたい。

『エルデンリング』はフロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。本作では今年2月25日の発売以降、怒涛の勢いでのスピードラン合戦が繰り広げられていた。今回の記録を出したのは、本作スピードランシーンの先頭グループを走り続けていた海外スピードランナー、Distortion2氏だ。本作スピードランシーンを追いかけている方は、「またか」と思われたのではないだろうか。そのくらい頻繁に記録を書き換えている人物である。

本作では4月8日に、クリア12分台なる記録が叩き出された。『SEKIRO: Shadows Die Twice』のスピードランや「目隠しクリア」などで 知られるスピードランナーのMitchriz氏による記録で、タイムは12分32秒(関連記事)。しかし、その直後にはDistortion2氏が12分13秒のクリアタイムで記録を塗り替えるデッドヒートが繰り広げられていた。そして今日4月11日、Distortion2氏が叩き出した記録は、ゲーム内時間にして8分56秒。一気に10分の大台どころか9分を切ってしまったのだ。


今回の大幅なタイム短縮につながったと見られるのは、本作のクリアタイム短縮にて大きな役目を果たしたZip Glitchとよばれるグリッチの発展だ。Zip Glitchは、ガード・歩き・前進をフレーム単位で緻密に操作することで、超長距離の瞬間移動などを可能にする技である。Distortion2氏は、以前からこのテクニックを駆使していたものの、今回の挑戦ではさらにフル活用。そもそもゲーム開始地点から瞬間移動してストームヴィル城に突入している有様である。

さらには、今までのチャートでは戦わざるを得なかったボスである「黒き剣のマリケス」も、Zip Glitchにてスルー。ほぼ無血にて王の座を獲得している。また、戦闘がなくなったことにより、武器の確保が必要なくなったのも時短に影響したのだろう。また、戦技「霜踏み」の火力に頼る必要がなくなる関係上、最新バージョンでも記録が出せるようになりそうだ。なお、Distortion2氏は7分切りを目指していくとのこと。Zip Glitchの発動率や精度など、まだまだ短縮の余地はあるようだ。

Distortion2氏は、最近では「ヒップドロップ/黄金の尻撃のみでクリア」「ルーンレベル1でクリア」(いずれも霊体召喚なし)などのやり込みプレイも実行している。あらゆる方法で『エルデンリング』をむしゃぶりつくす情熱が、今回のクリアタイムにも繋がったのかもしれない。

スピードラン記録集計サイトSpeedrun.comの『エルデンリング』ページでは、各種カテゴリーで盛んに記録が更新されている。Zip Glitch利用が規制されている通常のAny%カテゴリーでは、ドイツのスピードランナーMuftaay氏が26分7秒のクリアタイムを保持。エリアの初期地点にむりやり移動する技を封じた「Any% No Wrong Warp」では、日本人スピードランナーのAltF4jp4氏が1時間切りの58分28秒の記録で現在1位に輝いている。また、全追憶を回収するAll Remembrancesカテゴリーも1時間30分に迫るクリアタイムが記録されているようだ。それぞれのカテゴリーに魅力と見どころがある本作スピードランは、まだまだ高速化していくことだろう。




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Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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