新作MOBA『Predecessor』がSteamで注目集める。洗練されたゲームプレイとグラフィックには秘密あり

新作MOBA『Predecessor』のサーバーストレステストがSteamで実施されており、早くも人気を集めていたようだ。かなりビジュアルクオリティも高い同作であるが、秘密がある様子。

新作MOBA『Predecessor』のサーバーストレステストがSteamで実施されており、早くも人気を集めていたようだ。小規模スタジオとしてはかなりビジュアルクオリティも高い同作であるが、秘密があったようだ。


『Predecessor』はマルチプレイオンラインバトルアリーナ(通称MOBA)と呼ばれるジャンルのゲーム。5v5でトップ・ミッド・ボトムの3つのレーンを攻防しつつ、それらの中間に位置するジャングルと呼ばれるエリアを上手く利用して勝利を狙う。ポジションごとの役割遂行はもちろん、状況に応じた柔軟な対応が求められるため、チームワークの重要性と戦略性の高い。一般的には3D見下ろし視点で作られることが多いジャンルだが、本作は珍しくキャラを背中から見る三人称視点となっている。戦略性だけでなくアクション性の高さを直感的に楽しめるため、MOBAジャンルに不慣れなプレイヤーでも遊びやすいタイトルといえるだろう。

ビジュアルのリッチさも目を引く同作であるが、それもそのはず。同作のアセットはかつてEpic Gamesが運営しており、2018年にサービス終了したMOBA『Paragon』の公開アセットが使用されている。『Paragon』もまた、三人称視点のMOBAであった。『Predecessor』はゲーム性の共通点があるだけでなく同作に登場したFeng Mao、Gadgetなどのヒーローの姿も確認できる。


本作に活用されている、Unreal Engine 4にて利用できる無料アセットは、Epic Gamesが1200万ドル(約13億円)を費やして制作した。今見てもその質の高さが感じ取れる。グラフィックだけでなくヒーローについても再活用されており、ある意味では『Paragon』のDNAを深く継承した作品といえる。

『Predecessor』を手がけるのは、Robbie Singh氏が率いる、ロンドンを拠点とするOmeda Studiosだ。同氏は『Paragon』の配信では5万人もの視聴者を集めていた人気インフルエンサー。同氏は海外メディアに向けて、『Paragon』サービス終了時の喪失感の大きさを語っており、アセット配布を受けて自力でゲームを再構築する決意を固めたそうだ。


Omeda Gamesのメンバーは現在32人とそれほど多くはないが、高品質なアセットを利用することで、ビジュアル面の担保と開発効率が期待できるだろう。また、同スタジオは『Predecessor』の開発の様子を絶え間なくTwitchにて配信しており、視聴者に対してテストプレイへの参加を呼び掛けるなど、コミュニティを重視する姿勢がうかがえる。その甲斐もあってか、初期段階の資金ファンディングにおいては220万ドル(約2億7000万円)を獲得。また、4月1日から本日17時までSteamに向けておこなわれたサーバーストレステストでも、本作の同時接続プレイヤー数は好調で、4月1日のテスト開始から連日ピーク時には6000人を超える盛り上がり(SteamDB)を見せていた。新規タイトルとしては、なかなかの数字だ。

同様に『Paragon』のアセットやゲーム性を受け継いだゲームとしては、2020年より早期アクセス配信中『Fault』や、現在開発中の『Overprime』などが挙げられる。それらの中でも、本作は特に注目度が高そうである。

『Paragon』のエッセンスを引き継ぎ、プレイヤー視点で開発されている『Predecessor』。本作はPC(Steam/Epic Gamesストア)に向けて、2022年内に早期アクセス配信開始予定。2023年には正式リリース予定だ。なお、コンソール向けにもリリースが予定されており、PCとコンソール間では、クロスプラットフォームプレイの実装されるとのこと。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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