『エルデンリング』にて“ウィル・スミス”が出没中とのユーザー報告が複数あがっている。とはいえ、もちろん本物ではない。俳優ウィル・スミス氏に扮して、先ごろのアカデミー賞での事件を再現する者が現れたのだ。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。本作にはマルチプレイ要素があり、任意のアイテムを使うことでプレイヤー同士が一時的に、協力もしくは敵対プレイできる仕組みとなっている。ほかプレイヤーの世界に侵入するシステムもあり、そうした敵対プレイヤーは、特殊アイテム使用時を除き赤色の姿で表示される。
そして最近本作において、赤いウィル・スミスが出現しているようだ。「WILL SMITH(ウィル・スミス)」なる名前を用いたユーザーが、プレイヤーにつかつかと歩み寄り、素手での殴打を加えて去っていくのだという。これは、3月27日にアカデミー賞授賞式にて起き、世界的に話題となった「ウィル・スミスがクリス・ロックを殴打事件」の再現と見られる。偽ウィル・スミスは、妻の病気を揶揄するジョークに怒り、ウィル・スミス氏が一撃かました同事件の顛末を『エルデンリング』のなかで再現しているわけだ。海外掲示板Redditでは、実際に「WILL SMITH」が決然たる動きで投稿者を一発叩く様子が投稿されている。
しかも、偽ウィル・スミスらしき侵入者はほかにも目撃されている。上述の投稿には「俺も遭遇した」との証言も寄せられているほか、別のユーザーは別タイプの偽ウィル・スミス動画を投稿している。こちらは「クリス・ロック視点を体験」なるユーザー名の侵入者が、やはり投稿者に歩み寄り、一発叩いてそのまま去っていく。本来、対人戦では熾烈な戦いが繰り広げられる。かなりやる気マンマンの装備の投稿者たちが、ただバチンとビンタをされて呆気にとられる様子からはシュールさも感じられる。
また、複数の偽ウィル・スミスの出没は、クリス・ロック殴打事件がいかにミームとして浸透したかも示しているだろう。暴力行為も絡んでいる同事件は、真剣に受け止めるべき出来事ではある。しかしながら、「ウィル・スミスが突然のビンタ」なる出来事は多くのユーザーにユーモラスと受け止められたようで、本作コミュニティ/r/Eldenringでも複数のミーム投稿がみられるほか、さまざまなゲーム作品にもなぞらえられ、ネタにされている様子が見られる。
またたく間に話題となり、ミームとして浸透してしまったウィル・スミス氏の行い。同氏は事件後、暴力行為について謝罪声明を出したほか、映画芸術科学アカデミーの会員を辞すると発表している。しかし、今後もウィル・スミス氏の一撃はネットミームとして、コミュニティからさまざまに取り沙汰されそうだ。