『原神』八重神子・スキル変更への批判について、開発元が説明。「ユーザーの声をもとにした不具合修正」と強調

HoYoverseは3月31日、オープンワールドARPG『原神』のキャラクター「八重神子」の変更について、声明を発表した。“不具合修正”としてスキル性能が変更され、ファンの間で物議を醸している問題について。

HoYoverseは3月31日、オープンワールドARPG『原神』のキャラクター「八重神子」の変更について、声明を発表した。同キャラは、3月30日配信のアップデートにて“不具合修正”としてスキル性能が変更され、ファンの間で物議を醸している。

『原神』は中国のmiHoYoが開発し、現在HoYoverseのブランドのもとに開発・運営されているオープンワールドARPGだ。本作はキャラやコンテンツ追加のほか、バランス調整などのアップデートも定期的におこなわれている。今回議論の的となっているキャラクター「八重神子」は、2月16日配信のVer.2.5アップデートにて実装された、星5(最高レアリティ)のキャラクターだ。具体的に問題視されているのは、同キャラのスキル「野干役呪・殺生櫻(以下、殺生櫻)」の挙動とその変更である。


殺生櫻は、設置型の攻撃スキルだ。殺生櫻をフィールドに設置すると、自動的に敵に落雷を放ち攻撃してくれる。実装当時は、この落雷は一定範囲の敵をランダムに選んでくれる挙動となっていた。攻撃可能オブジェクトなどに落雷してしまう場合もあったものの、厄介な遠合いの敵を始末してくれる便利さもある挙動だったわけだ。また、本作には「元素付着」なるシステムがあり、単体に攻撃が集中するよりは、多くの敵に元素を付着させられた方が有利な場面も多い。いずれにせよ、ターゲットがランダムな点は殺生櫻の使い勝手を、おおむねよくしていた。

しかし、昨日3月30日に配信されたVer.2.6にて、この挙動が変更された。公式パッチノートでは「殺生櫻が、周囲の敵をランダムに攻撃する不具合を修正しました」とされており、範囲内でもっとも近い敵を優先的に攻撃する挙動に変更された旨が記されている。この“不具合修正”が、波乱を呼んだ。ランダムだった落雷が近距離の敵に集中することによる弊害も発生してしまったのだ。

具体的には、「弱い敵をそっちのけで、一定ダメージを吸収する盾もちの敵に落雷が集中してしまう」などの現象が起きてしまうようになった。SNS上では、そうした使い勝手の変化を批判するユーザー意見も多く見られる。一方で、落雷がコントロールしやすくなったのも事実で、変更について受け入れる声もある。ただ、突如として殺生櫻の使い勝手が大きく変わってしまったのは間違いない。


こうした声を受けてか、本日3月31日には開発元が声明を発表。殺生櫻の変更についての説明を掲載している。開発元はVer.2.5期間中、八重神子の戦闘体験において「不明確な索敵」に否定的意見が多く寄せられたとしている。そのため、原因となる敵とキャラクター両方の索敵ロジックについて変更をほどこしたとのこと。また、もともと殺生櫻は「敵を優先して狙うよう索敵ロジックを組んで実装」していたものの、実際はその制御ができていなかったとのこと。そのため、Ver.2.6にて近距離を優先するロジックを追加したそうだ。つまり、もともとランダムな落雷は意図しない挙動であり、Ver.2.6での実装は、その“不具合”を直した結果との説明だろう。ただ、どこまでが仕様変更でどこまでが不具合修正なのかやや曖昧で、歯切れの悪い印象もある。

そうした曖昧さも、ユーザーたちの反発を呼ぶ原因となっているようだ。たしかにVer.2.6での殺生櫻の変更は、不具合修正というより「仕様変更」に近い印象である。事前告知なく、スキルの使い勝手に突然変更が加えられた点に、反感を覚えるユーザーも少なくないのだろう。本作はガチャ(祈願)システムも導入している。最高レアリティキャラである八重神子を手に入れるため、課金を重ねたプレイヤーもいることだろう。多くのコストを注いだキャラの突然の性能変更に戸惑い、異論を唱えたくなる感情も理解できる。

多くの意見が寄せられ、実装翌日には開発元が声明を出すに至った八重神子の殺生櫻問題。公式声明のなかで開発元は、今回の調整に関するフィードバックや、サーバー上の戦闘データに注目していくとしている。殺生櫻の落雷の行方はいかに。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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