個人開発者のLilith Walther氏は3月25日、『Bloodborne』の二次創作レースゲーム『Bloodborne Kart』を発表した。もともとはミームとして誕生した謎のアイディアが、プレイ可能な作品として世に出るようだ。対応プラットフォームはPCと見られ、発売時期は「準備できたら(When it’s ready)」とされている。
『Bloodborne Kart』は、フロム・ソフトウェアのアクションRPG『Bloodborne』の非公式二次創作レースゲームだ。本作を手がけるLilith Walther氏は、『Bloodborne』の非公式初代プレイステーション風“デメイク”である『Bloodborne PSX』の開発者(関連記事)。こちらは今年2月1日にリリースされており、itch.ioから無料でダウンロード可能となっている。『Bloodborne Kart』については、同デメイク版のアセットを活用した作品となるようだ。動画ではバイクにまたがった狩人が今まさにスタートラインに臨む様子が映し出されている。『Bloodborne』のキャラクターが乗り物に乗り、レースに挑む内容となるのだろう。
陰鬱な『Bloodborne』の世界観でレースを繰り広げる『Bloodborne Kart』なる奇妙なアイディアは、ファンの間でミーム化していた背景がある。この発端については不透明なものの、YouTuberのRedtreevortex氏は、海外掲示板Redditのとあるユーザーが、2017年に拡散した画像が発展したとの調査動画を公開している。発端となったのは、オリジナル版のスタイルを緻密に真似た『Bloodborne Kart』のロゴ画像のみだったようだ。それが話題を呼び、コラージュでいかにもプレイ画面らしい画像を作るユーザーも出現。さらには、実際に遊べる『Bloodborne Kart』を作ろうという試みもおこなわれていた。2015年にDLCである「The Old Hunters」がリリースされて以来、展開を待ち焦がれている『Bloodborne』ファンたちの慰みの側面もあったかもしれない。
そして昨年の4月1日には、当時『Bloodborne PSX』を開発中だったWalther氏が『Bloodborne Kart』の動画を投稿。これはあくまでも開発中のアセットを活かした冗談であり、エイプリルフールのネタとして話題になった。
そしてついに、ミームからエイプリルフールネタへと変遷を辿った『Bloodborne Kart』が現実のものとなるようだ。公開されたトレイラーは『Bloodborne』の世界観からかなり逸脱しかけている。オリジナル版のBGMである「Lullaby for Mergo」と思われる旋律は、かなりスポーティーかつノリノリの曲調に。狩人は躊躇いもせずバイクに乗りアクセルをふかす。ただ、奇妙な技術力もある世界観ゆえに、バイクの存在は意外と違和感はないかもしれない。狩人のほかには、一体誰がどのような乗り物に乗ってレースを競うのだろうか。そもそもなぜレースをするのだろうか。疑問は尽きない。
『Bloodborne Kart』はこれまでの経緯より、無料にてPC(itch.io)でリリースされると見られる。発売時期は「準備できたら(When it’s ready)」とのこと。
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