Unityが最新技術映像「Enemies」を公開。人間をリアルに表現する最新のデジタルヒューマンテクノロジー

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Unity Technologies(以下、Unity社)は3月21日、最新のデジタルヒューマン技術を紹介するシネマティックティザー「Enemies」を公開した。フォトリアリスティックな目・髪・肌などの表現において、大きな進歩を遂げているとのこと。

デジタルヒューマンとは、コンピューターグラフィックスにて本物の人間のような表現を実現したものなどを指しており、Unity社は2020年に「The Heretic」というショートフィルムを制作しデモを披露。Unityアセットストアにて、その成果物を無料公開している。Unity社としては「The Heretic」を、ゲームエンジンであるUnityでリアルなデジタルヒューマンを動かし、レンダリングできる環境にするための準備の一環と位置付け。そして今回「Enemies」にて、さらなる拡張をおこなったという。


「Enemies」の映像では、非常にリアルに作られた女性による演技が映し出されている。この人物は40代の女優とのことで、技術的に新たな課題を得るために選ばれたそうだ。「The Heretic」での登場人物とは異なり、肌の色が明る場合は動いたり話したりすると血流が見え、そうした現象をひきおこす張力を扱う技術の開発に繋がったとのこと。

高齢の人物ならではといえる肌のシワの表現に関しても、シェーディングやライティングの観点から注意を要したという。目については、コースティックによる光学的効果を加えて臨場感を向上。また、肌の陰影を微妙に変化させる顔の産毛は、Skin AttachmentシステムをGPUに移行することで実現したそうだ。


「Enemies」の制作においては、ヘアソリューションを開発すること、顔のリアルさを向上させること、そしてそれらをすべて実際のコンテンツの文脈でおこなうことという、3つの方向から取り組んだという。そのために、グラフィックスやUnityのコア機能を最大限に活用。具体的には、UnityのHDレンダーパイプライン(HDRP)、スクリーンスペースグローバルイルミネーション(SSGI)、新しい適応プローブボリューム、レイトレーシング、NVIDIAのDeep Learning Super Sampling(DLSS)などを使用したとのこと。

また、髪の自然な表情と動きを作り出す「Unity Hair solution」を開発。同技術は、髪のオーサリングやスキニング、毛束ベースのシミュレーション、およびレンダリングをおこなえる統合ソリューションである「Hairシステム」、リアルに見える髪やファーを実現する「HDRP向けのHairシェーディング」、また毛束が非常に細かい場合でも効率的におこなえる「髪のレンダリング」の3つのパートにて構成されている。

*2020年公開のショートフィルム「The Heretic」


リアルなデジタルヒューマン作成に関する技術というと、Unreal Engineを提供するEpic Gamesも「MetaHuman Creator」というクラウドストリーミングアプリを昨年公開している(関連記事)。デジタルヒューマンは、さまざまな業界にて業務での活用が見込まれ、もちろんゲームへの導入も期待されており、各社力を入れている分野のようだ。

Unity社は今年1月、リアルタイムキャラクター制作にかかわる機械学習技術などをもつZiva Dynamicsを買収。デジタルヒューマンやデジタルクリーチャーのためのUnityツールの発展に力強く投資していくとしていた。

今回公開された「Enemies」向けに開発された技術は、1〜2か月後にコミュニティと共有する予定とのこと。「The Heretic」で公開したバージョンからのアップデートと機能拡張をすべて含んだ「Digital Human 2.0 パッケージ」をリリースするとしている。毛束ベースのHairシステムを含むパッケージは、GitHubにて公開される予定だ。


また、現在開催中のGame Developers Conference(GDC)では、Unityエディターでのデモを出展。3月24日午後11時にはオンラインでも視聴可能なセッションも実施される。詳細は公式サイトを確認してほしい。

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