『フォートナイト』2週間の売り上げをウクライナの人道支援に寄付。新シーズン開始直後の繁盛期

 

Epic Gamesは3月20日、『フォートナイト』における今後2週間の収益すべてを、ウクライナへの人道支援に充てると発表した。また、マイクロソフトについても、同期間における同社プラットフォームでの『フォートナイト』コンテンツ純売上高を寄付に充てるとしている。


『フォートナイト』は、Epic Gamesが開発・運営するバトルロイヤルゲーム。2021年8月時点の発表では、公称プレイヤー数が全世界3億5000万人を突破するなど高い人気を誇る作品だ。今回の公式発表によれば、Epic Gamesは現地時間2022年3月20日から4月3日までの本作における収益のすべてを、4つの人道支援団体を通じて現在戦争状態にあるウクライナへの支援に充当するという。マイクロソフトも協力し、Microsoft Storeでの『フォートナイト』コンテンツ関連の純売上高もまた、全額が人道支援へと充当される。ロシアによるウクライナ侵攻の後、さまざまな規模のゲーム企業がウクライナ支援の姿勢を示してきた(関連記事)。しかしながら、運営型ゲームの売上の全額寄付は珍しい例だ。

寄付に充てられるのは、期間内に現実の通貨で購入された売上だ。例として、V-Bucksパック、フォートナイトクルー、ギフト用パトルパス、そしてヴォイドランダー パックなどのビジュアルパックが該当する。また、小売販売店での物理購入についても、期間内にゲーム内で引き換えられた場合には寄付対象となる。しかし、ゲーム内有償追加であるV-Bucksの使用は対象には含まれない。つまり、現金を利用したV-Bucksの新規購入が寄付対象となり、3月20日以前から保持していたV-Bucksの消費では寄付対象にならないとのこと。また、サブスクサービス「フォートナイトクルー」の月額料金なども、期間内に処理されれば寄付対象となる。


寄付先となるのは、「Direct Relief」「国連児童基金(UNICEF)」「国際連合世界食糧計画(UNWFP)」「国連UNHCR協会 – 国連難民高等弁務官事務所」の4団体で、今後も寄付先となる団体が追加予定とのこと。寄付先の選択などは不可能となっている。Epic Gamesから寄付先への送金は可能な限り迅速におこなわれるとのことだ。なお、万が一『フォートナイト』での購入を寄付に回してほしくない場合には、「2022年4月4日までフォートナイトにおいて現実の通貨による購入を控えるようにしてください」とのこと。

『フォートナイト』は人気の高い作品だ。やや過去のデータではあるものの、2018年には約55億米ドル(約6561億円)、2019年には約37億米ドル(約4420億円)の売上をあげていたことが、Epic GamesとAppleの裁判資料により明らかになっている(The Verge)。2週間の売上高であっても、その金額は非常に大きいと予想される。多額の寄付が人道支援に活かされることになるだろう。

なお、『フォートナイト』では本日より新シーズン「チャプター3シーズン2」が開幕している。戦車であるIOタイタンタンクなどの乗り物が追加されたほか、移動スピードの増加・アクションの追加などキャラクターの敏捷性がアップ。さらには、一部ゲームモードで本作の特徴である建築に一時的に無効化され、「オーバーシールド」が導入されるなど、変化に富んだシーズンとなっている。また、売上にも大きく寄与するであろうシーズン開幕と同時となる寄付への取り組みは、Epic Gamesのウクライナ支援にかける姿勢を示している。