『確定申告を頑張るRPG』の開発がスタート。多くの人々を苦しめる確定申告の方法を楽しく学べるフリーゲーム
国内クリエイターのあをにまる氏は確定申告の方法を楽しく学べるフリーゲーム『確定申告を頑張るRPG』の開発をスタートしたと発表した。確定申告に苦しめられてきた人々から多くの注目を集めている。
確定申告。個人事業主や副業収入のあるサラリーマンなどが毎年の税額を税務署に申告し、納付する税額を確定する手続きだ。毎年3月15日の申告締め切り近辺になると何かと話題に挙がり、自身は申告する必要がなくとも“とても厄介らしい”ということはご存知の方も少なくないだろう。控除額の多い青色申告は特に必要な書類の用意が煩雑で、多くの人々の頭痛の種である。
確定申告期間が始まる2月半ばごろから、Twitter上では「遊んでいたらいつの間にか確定申告ができているようなゲームがあればいいのに」という話題がたびたび注目されていた。厄介な書類作業も、ゲーム形式で楽しむことができれば苦でなくなる。それゆえに『確定申告を頑張るRPG』の発表が注目を集めているようだ。
『確定申告を頑張るRPG』は、現実の日本の確定申告の仕組みをファンタジーの世界観に落とし込んだRPGだ。自称国王で個人事業主のミチナガは、偶然にもFXで多額の利益を出す。しかし、後から税金が発生することをすっかり忘れ、自身の王城を建設するためにその利益を使い果たしてしまった。税金を支払うことができないままでは、魔王コクゼーに城を差押えられてしまう。焦ったミチナガは勇者ゼイリシを召喚し、どうにか事態を切り抜けようとする。
公開されているスクリーンショットには、「確定申告を行い、魔王コクゼーから還付金を取り戻すのだ!!」「イータックスの魔法を使えば、ダンジョン(税務署)に行かなくても申告(バトル)が出来るんだぜ」など、確定申告のシステムを親しみやすく噛み砕いたセリフが目立つ。武器や防具は固定資産に該当するため購入すると税金が発生するなど、ユーモアの効いたシステムもあるようだ。
あをにまる氏のツイートによると、本作ではライフポイントが所持金、敵のHPが課税額にあたり、控除や経費算定をおこなって課税額(敵のHP)をゼロにすればバトルで勝利できるとのこと。バトルにあたってはパーティーメンバーの扶養控除や宝箱から見つけた経費レシートも重要になってくるようで、実際の確定申告の仕組みをモチーフにしたユニークなシステムになるようだ。
あをにまる氏のこれまでの実績としては、奈良を舞台にしたギャグRPG『ファイ奈良ファンタジー』を無料公開中だ。また、『確定申告を頑張るRPG』と並行して、ごく普通の女子高生・小野妹子が聖徳太子らと恋愛する乙女ゲーム 『なら☆こい』も開発中である。歴史・風土などのやや堅めな題材とさまざまなゲームジャンルをかけあわせ、シュールなギャグを演出することを持ち味とするゲームクリエイターである。今回発表された『確定申告を頑張るRPG』でも、同氏のユーモアが炸裂することを期待したい。
多くの国民を苦しめた令和3年度の確定申告は3月15日に締め切りを迎えたが、来年の同日にはまた同様の悪夢がやってくる。『確定申告を頑張るRPG』は令和4年度の確定申告に苦しむ人々を少しでも減らすことができるだろうか。ゲームメディアのライターとして、そして毎年のように確定申告に苦しめられている人間として、あをにまる氏の開発を応援している。
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