サバイバルゲーム『台北大空襲』正式発表。第二次世界大戦・日本統治末期の台湾で、逃げ惑う人々を過酷に描く

Mizoriot Creative Companyは3月17日、『台北大空襲 Raid on Taihoku』を正式発表した。舞台となるのは、1945年の台湾。台北大空襲がテーマとなっている。

台湾のゲームスタジオMizoriot Creative Companyは3月17日、『台北大空襲 Raid on Taihoku』(以下、台北大空襲)を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。Steamストアページも公開されている。


『台北大空襲』は、サバイバルアドベンチャーRPGだ。舞台となるのは、1945年の台湾。かつて台湾は、日清戦争後から50年ほど日本の統治下にあった。しかし、日本は第二次世界大戦で敗戦。日本の統治下にあった台湾もまた戦争に巻き込まれており、連合国によって台北に無差別爆撃が敢行された。その攻撃は、台北大空襲と呼ばれている(Wikipedia)。本作は、その台北大空襲がテーマとなっている。戦争に巻き込まれた少女の清子として家族を探していくのだ。

清子は、死体だらけの場所で目を覚ました。名門の台北第一女子高校の制服を着ているが、何があったのか、家族はどこにいったのか思い出せない。犬のクロと共に空襲から逃げ延びながら、さまざまな人と出会い、そして台湾の現状を知っていく。


登場人物もさまざまで、生きるために盗みを働く、猫が友達の台湾人招ちゃん。日本に留学するも差別された過去をもつミンジ先生。日本教育を受け、皇民化により日本の名字をもつ台湾人中川巡査。カトリック教徒の日本人である武田神父。台湾州特別高級警察で教化に励む日本人の佐佐木特高。複雑なルーツをもつ人物たちとの出会いを介し、日本統治時代末期の台湾が色濃く描かれるようだ。Steamストアページでは「暴力表現やゴア表現の頻出, 成人向けコンテンツ全般を含む」と記されており、かなり過酷な内容になりそうである。


『台北大空襲』は、もともとテーブルゲームとして制作され、今回それがPCゲームとしてリリースされるかたち。ゲームプレイとしてはまだ謎は多いが、さまざまなキャラと会話するアドベンチャーパートのほか、見下ろし視点のアクションパートも存在するようだ。アクションパートでは空襲から逃れたり、いじめっ子からの妨害から自身を守りつつ道を進んだり、さまざまな場面に出会うようだ。過去に存在した建造物も数多く登場するそうで、のちに潰された台湾神宮なども表現されるという。戦時中の雰囲気や人々の気持ちをリアルに体験できるとのことだ。


Mizoriot Creative Companyは、迷走工作坊としても活動するテーブルゲーム開発会社。『台北大空襲』のほかには『生き残れ!動物たち!』『高雄大空襲』『ブラックパティスリー』といった作品を手がけている。国内イベントのゲームマーケットでもそれらの作品を出展していた。今回はデジタルゲームという場で、第二次世界大戦時の台湾を描こうとしているようだ。

『台北大空襲 Raid on Taihoku』はPC(Steam)向けにリリース予定。日本語にも対応予定。日本向けの公式Twitterアカウントも存在するので、気になった方はフォローしておこう。

https://twitter.com/mizoriot/status/1498980184304721921






※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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