『エルデンリング』の「左上のアイコン」は何を意味しているのか?戸惑う褪せ人たちへ


エルデンリング』にて、プレイヤーの能力強化/弱体化ステータスを示すアイコンがわかりづらいとの声があがっている。本作のシンプルな表示ゆえに、それぞれのアイコンが何を示すのかわからず戸惑う者も多いようだ。本稿では、そうした声を紹介しつつ、それぞれのアイコンの示すところをお伝えしていく。本稿には、ゲーム内NPCや装備に関するネタバレとなりうる情報が含まれているため、ご注意されたい。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけた新作アクションRPGだ。本作の主人公には8種類の基本能力値が設定されている。能力値はそれぞれHPを高めたり、スタミナや装備重量を高めたりとそれぞれ違う影響をステータスに及ぼし、プレイヤーの好みで選択可能だ。また、ステータスは攻撃力計算や防御力、毒などステータス異常への耐性にも影響するほか、防具・タリスマン・アイテム仕様・魔術や祈祷の使用など多彩な方法で変動する。

そして、ステータスに影響ある要素を使用した際に表示されるのが、画面左上のアイコン群だ。このアイコンたちは、現在プレイヤーに発生しているステータス効果を示している。シンプルにまとめられておりすっきりしている一方で、意味の解釈に戸惑う面がある。というのも、本作に詳細なステータスアイコン説明ヘルプなどは用意されていない。また、アイコンデザインが抽象的な点も、混乱を招く一因だろう。

どうしても謎のアイコンの意味を知りたい場合は、ネットに頼るか、説明文なども参照しつつ装備を付け外しして確かめてみるしかない。この点には国内外問わず困惑するユーザーもいるようで、Redditでは「アイコンがミニマルなのはいいけど、ゲーム内での解説がほしい」との旨の投稿も反響を集めている。こうした意見が見られるのは国内でも同様だ。


ここからは、そうしたユーザーに向けて、それぞれのアイコンがもつ意味を紹介していく。たしかに、「四角に矢印だけ」などのアイコンは意図する所がわかりづらい。しかし、規則やデザインの傾向さえ理解してしまえば案外難なく解釈できたりもするのだ。

たとえば、赤い四角に下向き矢印のアイコンは「最大HPの低下」を示している。HPを示す赤い四角に、低下を表す下向き矢印がついているわけだ。アイコンの四角については赤がHP、青がFP、緑がスタミナを表現している。上下の矢印はそれぞれ各ステータスの上昇と低下だ。また、カット率(防御力)は鎧のアイコンで示されるなど、影響するステータスに紐付いた抽象化がなされている。アイコンを観察しつつ、タリスマンなど装備アイテムと照らし合わせてみるとわかりやすいだろう。

この画像では、頭装備の効果により緑四角の上矢印アイコン(持久力/最大スタミナ値上昇)が発生。また 「帳の恩寵」のデバフにより赤四角の下矢印アイコン(最大HP低下)も発生している。


各アイコンの枠には、四角とひし形の2種類がある。四角については、タリスマンの効果など、装備している限り効果が持続するタイプのバフ/デバフだ。一方でひし形は、一定時間が経過すると効果を失うタイプのバフとなっている。タリスマンと一時バフアイテムで同じ効果を受ける場合などに、見間違えないよう気をつけておきたい。

こちらではHP低下に加えて、赤・青・緑(HP/FP/スタミナ)のアイコンで各最大値が上昇しているのがわかる。また、消費アイテムの効果でカット率も一時的に上昇している。


また、バフ/デバフアイコン欄には、チェックポイントであるマリカの楔が近辺にあるかどうかも表示される。強敵を前にしてマリカの楔のアイコンが表示されていれば、(比較的)安心して死ねるというわけだ。「鉤呼びの指薬」「(白い/青い)秘文字の指環」などの使用中や、「爛れた血指」などでのマッチング探索中にも、アイテムの見た目がアイコンとして表示され、現在のマッチング状態の確認に役立てられる。ほかにマルチプレイ関係では、トゲトゲの輪などが意味を読み取りづらい。こちらは、マルチプレイパスワードを設定している状態を示すアイコンとなっている。奇妙な見慣れぬアイコンであった場合には、装備中のタリスマンの見た目がそのまま反映されている場合も多い。いずれにせよ、アイコンの内容をなんとなく推測し、装備変更やアイテム使用など、自分の最近の行動と照らし合わせるとあっさり意味が判明したりする。混乱した際は装備や使用アイテムをざっと見返してみるのもよいだろう。

こちらは、左からHP低下アイコンと、3種類のタリスマンによるバフのアイコン、そしてパスワード設定状態を示す輪のアイコンと並ぶ。3種類のタリスマンは装備選択メニューでのアイテムグラフィックがほぼそのままアイコンとして反映されている。


ちなみに、褪せ人の間でもっとも話題にのぼるのは「死衾の乙女、フィア」によるデバフだろう。フィアは、ゲーム序盤に訪れることになる拠点に待つNPC。物腰は美しく、プレイヤーこと褪せ人を文字通り「抱いて」やると提案してくるのである。遭遇タイミングとしても、多くの褪せ人が血も涙もない狭間の地の洗礼を受けた直後だと思われる。下心など抜きにして、安らぎを求めて「抱かれる」を選択したプレイヤーも多いことだろう。

しかし悲しいかな、フィアに抱かれると赤い四角に下向き矢印、すなわち最大HP低下のデバフが発生する。気持ちは回復してもHPは下がるのである。幸いにも抱かれることで得られるアイテム「帳の恩寵」を使用してしまえば、この影響は消せる。フィアが必ずしも悪意をもっていたとは限らないものの、この仕様に「騙された!」と感じたプレイヤーも多いようだ。海外掲示板Redditの本作コミュニティでは、Google検索して初めてデバフの正体に気付いたプレイヤーがフィアに詰め寄るミームを投稿するほどだ。抽象的かつ目立ちづらいアイコンと、フィアの魅力が招いてしまった悲劇といえるだろう。

『エルデンリング』のステータスアイコンは、意味や具体的な効果を突き止めるのに一手間がかかる。そうした仕様は少々厄介な一方で、自分でゲームシステムを解き明かしていく楽しみをもたらす個性でもあるだろう。フィアの包容デバフについても、甘い話には罠を設ける、本作のイタズラ心を示す例といえる。そして、戸惑う場面も多い本作を攻略するにあたり、取り組み方はプレイヤーそれぞれの自由。ゲーム外の情報交換やアドバイスに頼るのもひとつの手だろう。本稿が、『エルデンリング』を楽しく遊ぶ一助になれば幸いである。